青紫ちゃん【獄変】

□見習いの記憶
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目を覚ますと布団の上で寝ていて、すぐ近くに佐疫さんがいた。

体がだるく、起きたばかりでボゥっとしていると佐疫さんがこちらに気づき、声をかけてくれた。

「あ、霞月!目が覚めたんだね。
よかった、もう3日も寝ていたんだよ」

だいぶ寝ていた感覚はあったけれど、そんなに寝ていたなんて驚いた。

でも、正直まだ眠い。

「何か食べれそう?それとも飲み物でも飲む?俺、持ってくるよ」

「……いい」

気を利かせてくれた佐疫さんには悪いけれど、何も口にしたくない気分で布団をふかく被る。

佐疫さんは部屋から出ずにそのまま自分が気絶?した後の事を話してくれた。

「それにしても、服を真っ赤にした谷裂が泣きじゃくっている霞月を抱えて帰ってきたのは驚いたよ。
霞月は高熱だしてたし、谷裂も玄関でぶっ倒れて俺もみんなもパニックを起こしちゃってさ、肋角さんが帰ってくるまで大騒ぎ
とりあえず霞月は医務室に運んで谷裂は執務室に行って報告してた。

……みんな心配してたよ、霞月のこと。
看病も順番にしたけど田噛サボらなかったし、平腹だって谷裂に怒っちゃうくらいだったからね」

ぼやぼやと聞き取ってみんなに迷惑をかけまくってるな、なんて心の中だけで反省する。

未熟で精神的にも弱くて、ほんとだめだ。

こんなんじゃ、また、見捨てられても、しょうがない。

裏.切られても……しょうがない、かもしれない


……そんなの、やだよ

そんな考えが頭をよぎって目頭が熱くなってきた。
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