青紫ちゃん【獄変】
□生者から亡者
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私は、確か物心ついた頃には分かっていたと思う。
母に愛されていなかった事に。
父は、……その頃すでにいなかったので、特にはよくわからない。
「いってきます」
返事は、返ってこない。
私と顔をあわせたくない母はこの時間、まだ眠っているからだ。
学校では、まるで漫画のような量のラブレターが下駄箱に詰まっている。
普通の人なら羨むかもしれない。でも、この量だと誰かが片思いしている相手のものだって、
しれっと混じっている。
要するに、反感を非常にくらいやすかった。
「ちょっと、あんた○○からの告白断ったらしいね」
いわゆる修羅場は本当に、呆れる程、何度もくらわされた。
数人で集まって、本当に弱い奴ら
…………ああ、つい昨日まで「親友だよ!」何て言っていたあの子もいるじゃないか。
こんな事だって、もう沢山ありすぎて、ありすぎて
いつしか、人を信用しようと思わなくなった。