夢追い人【進撃】
□1話
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先に謝ったのはジャンだった。
「なぁ悪かったよ。あんたの考えを否定したいわけじゃないんだ」
エレンに手を出して「これで手打ちにしよう」と言いながら笑う。
「……あぁ、俺も悪かったよ」
エレンの方は表情は変わらなかったけれど、差し出されたジャンの手を叩いてその場を去っていった。
結局、二人は大事を起こさなかったわけで。
ほとんど気にしてないように見えたけれど分かってたのか。
気になったので聞いてみる。
「アルミン、ミカサ。こうなるの分かってたの? 」
「ううん。まあ時間がもう限られていたし、そうそう大怪我はないからいいかなって思っただけだよ」
「……ギリギリになっていたら止めるつもりだった」
けれどアルミンは意外とドライだっただけで、ミカサはただ食べているように見えてかなり気を使っていたらしい。なるほど。
ミカサはもう夕食を食べ終わってたのか少し早足に外へ向かおうとする。
途中、頬を染めたジャンに止められていたのできっとこれからややこしい事になるんだろう。女にはわかる。
ーーそして、寮にて。