夢追い人【進撃】

□3話
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そして訓練初日。
今日やるのはベルトの上にバランスよく乗って、宙に浮くこと。

立体機動をするための基礎中の基礎だ。

これが出来ないと開拓地送り……

「だだ、大丈夫だ大丈夫……開拓地になんか行かない……ちゃんと出来る」

しかもこれ、転んだら痛いよね……じゃなくて
前後のバランスに気をつけて、腰巻きと足裏のベルトにゆっくり体重を乗せる事。

ただそれだけを意識すれば出来るんだ……!緊張するな!!

「よし、あげるぞ!」

「は、はい!」

全身のベルトを装着して、教官がゆっくりとベルトの先を上に上げていく。そして、確実に足が地面から離れた。

……お、

おお!!
意外と安定する!

「きみ、筋がいいじゃないか。もう少し肩の力を抜いても大丈夫だぞ」
「はい!ありがとうございます! 」

そう言われたので、実際に肩の力を抜く。まだ少し足元が安定しないけれど、これはもう何回かやれば感覚が掴めそうだ。

なんだ、思ったよりもずっと簡単だ……

緊張も解けたついでに辺りを見てみると、コニーやサシャもいい感じに出来ていた。
昨日、迷子で可哀想だった私を「男女!」などと罵ってきたジャンも結構いいんじゃないかな。


……ミカサなんかすごい。ブレが全くないし、本人もの凄く涼しい顔をしている。
どうやったらあんな冷静に出来るんだろう


あとは……


「おい、あれ見ろよ」
「あぁ、あいつ巨人を駆逐するとか昨日言ってなかったか?」
「だっせー……」


隣の方からそんな声が聞こえたのでそちらを見る。

「!?」

「何をやっている!エレン・イェーガー!上体を起こせ!! 」

エレンがひっくり返って宙づりになっていた。それはもう綺麗なくらいに逆さまで。

「エ、エレン……」

あまりにも絶望的な顔をしている。かける言葉も見つからない。

「……貴様は後回しだ!次!」

そのままエレンは宙づりのまま降ろされて後回しにされた。
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