青紫ちゃん【獄変】
□見習いの囮役
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「やりぃ!爆弾セットで23勝ゲット!」
「ふふふ……平腹さんあまい!こっちには必殺騙しがあるのだ!これで横取りぃ!」
「んなぁ!?」
平腹さんと対戦ゲーム中。敵を多く倒した方が勝ちで現在95対22。
95が自分の勝ち数だ。
「ほら、平腹さん!先に95勝は自分がしたんだから、また一ヶ月お風呂掃除かわってね!」
ドヤ顔で言うと平腹さんが心底悔しそうにつぶやく。
「やっぱり伝説の“ノゾミ”には勝てねぇな」
ノゾミ
それは、自分が過去に使っていたゲーム名。
数々の伝説を残し突然姿を消した最後まで謎めいた存在。
「ちょっと、平腹さんその名前つぶやかないでよー」
「だってこれでもう半年先まで風呂掃除を代わりにする事になるんだぜ!?」
「それは、まだまだ弱い平腹さんの自己責任でーす」
クソォ!と平腹さんが叫ぶのとほぼ同時に佐疫さんが入って来る。
「二人とも、ゲームもいいけどやり過ぎは目に悪いよ。それから霞月、そろそろ任務に出る時間だから準備しといてね」
「はーい」
気の無い返事で適当に返す。
佐疫さんは、「谷裂は時間に煩いからね」と付け加えて出ていく。
「これから任務!?」
「うん、自分は囮役だけどね。さてとっ、佐疫さんにも言われたしそろそろ自分の部屋に戻るよ」
「おー!任務ガンバレよ!」
「平腹さんもお風呂掃除わすれちゃだめだよー!」
嫌そうに「おー」と言った平腹さんを後に部屋を出た。