夢追い人【進撃】

□1話
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「ーー違うぞ」

コニーに言葉を被せて否定したのは紛れもなくエレン。その行動に、エレンの周りは少しだけ困惑で騒ついた。

エレンはそんなことは気にせず、手元のパンにかぶりつきながら話す。

「巨人なんてな、実際大した事ねぇ。


俺達が、立体機動装置を使いこなせるようになればあんなの敵じゃない……!

やっと兵士として訓練ができるんだ。さっきは思わず感極まっただけだ! 」


私にはどうも強がっているようにしか見えない。
けど、アルミンは「いつも通りだなぁ」見たいな顔をしているし、ミカサも食事に戻ったんだからエレンはただ無謀な強がりを言っているわけではないんだろう。

「俺は、調査兵団に入って巨人をこの世から駆逐する!!ヤツらをぶっ殺して」

「おいおい正気か? 」


恐怖を押し切るように目を爛々と輝かせて言うエレンを遮って笑うような声が飛んだ。

飛んだ方を見れば欲を全開にした発言で早々に教官の頭突きを食らってた人、ジャンが口元を笑わせながらエレンに目を向けていた。


「いまお前、調査兵団に入るって言ったのか? 」

「ああそうだが。……お前はたしか、憲兵団に入って楽したいんだっけ? 」

どちらも語尾が喧嘩腰に聞こえる。まさかこのまま喧嘩になったりしない、よね?

「俺は正直者なんでね。
心底怯えながらも勇敢気取ってる奴よりはよっぽど爽やかだと思がな?」

エレンが立ち上がる。
こんな言われ方をされるのは癪に触るんだろう。私でも怒る。

「それ俺のことか?」
「や、やめなよ」

流石に制止の声が入ったが二人とも気にしてない。このまま取っ組み合いじゃお互いタダじゃ済まなくなるのに……。
アルミンもミカサもエレンを止めようとする気配どころか見てもいない。これもいつものことなのか。

「おい、俺は別に」


ジャンが何かを言う前に、鐘が鳴った。もう夕食終了らしい。
ジャンもエレンも罰が悪そうな顔をする。休憩が終わったんならいまから喧嘩という訳にはもういかないからだ。
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