夢追い人【進撃】

□2話
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「嘘!?ほんと!?場所わかるの!?」

飛び跳ねるようにその場を離れマルコに近づく。
マルコはそんな私に少し驚いて、仰け反る。


「あ、あぁ。分かるよ。さっき寮各部屋のの出席名簿をもらいに言ったんだ」

そう言って苦笑するマルコ。
……この人は救世主だ。


よかった!正直むさ苦しい所で寝るなんて嫌だったんだ!ありがとう!!

という気持ちから一言「ありがとう!」だけを伝える。

「おうおうマルコ連れてってやれ。そしてニーニャ。お前はもう2度とくんな」

しっしっと追い払うように手を動かしながらジャンに言われてるけれど無視をする。腹は立つけれど、今は帰ることが優先だ。

「じゃ、男子諸君はまた明日だね」



それだけ言ってマルコと外に出る。
案外と外は星明かり、月明かりで明るかった。

帰り道はマルコと話したり話さなかったりしながら歩く。

「まさか男子寮まで迷ってやってくる人がいるなんてね」

「え、そんな女子寮と男子寮って離れてるの? 」

「そこまでではないとけど……それでも、それなりには離れてると思うよ」

「そっかー」

わりと筋金入りの方向音痴だったのであまり気にしない。

それなりってどれくらいだろう……数百メートルとか?などと一人ぶつぶつ言ってるとマルコが少し声を落としてもう一度話しかけて来た。


「……ニーニャもシガンシナで見たんだったよね」

「うん」

夕食の時にエレンと話していたみたいだったけど、聞き足りないのかな。
私はほとんど見てないんだけど……。

「やっぱり、ニーニャから見ても巨人って恐ろしかった?」

当時を思い出してみる。確かに壁から覗く顔には禍々しさがあったような気がするし、普通の巨人だって、人の何倍もあったから壮大に感じた。

「うーん……多分、怖かったと思うよ」

どうしても、その時巨人に抱いた感情を鮮明に思い出せない。私には巨人以上に印象に残ることがあってしまったんだ。
マルコは向こうを向いて静かに「多分、か……」と呟いた。
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