夢追い人【進撃】
□3話
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「ぅ……」
「……」
答えに口籠ったけれど、ミカサは私の答えを待っている様子。どうやら黙らせる為に質問をした訳ではない、と思いたい。
それなら素直に話そう。
「えっと、同郷のよしみ?っていうか……その、目指しているところが同じよしみ、みたいな」
ミカサに怪訝そうな声をもらす。でも、これじゃそれもそうな回答だ。察しがよければ分からなくも……なんて他人任せな期待はやめよう。
少し声を潜めて、もう少し詳しく言うことにする。
「私もミカサ達と同じ、シガンシナ区の出身でちょっと三人に親近感みたいなモノを持ってて」
ミカサはどう考えてるかは分からないけれどまだ聞いてくれている。私も話を続ける。
「あと目指すところが同じって言うのはね……その、私も調査兵団を希望しているんだ」
そこまで言うと、ミカサは驚いた様に体を揺らした。腕立て伏せもやめて、こちらを向く。ずんずんと近づいて来て一言
「どうして」
と聞いた。
「色々な理由はあるけど、強いていえば外へ出たいから。あ、この辺はエレンとは違うね」
「……」
私が答えるとミカサは黙ってしまった。
やっぱり、いい顔はされないんだよね。こういう事を言うと。
「ねえ、話が逸れちゃったからもう一度聞いてもいいかな。
エレン、明日どうにかなりそう?私は出来ればエレンとも一緒に訓練したい。から、出来ればどうにかなってほしいと思ってる」
ミカサはじっとこちらを見るので私も目をそらさずにずっと見ていた。
そして、フッと視線を逸らして
「エレンは私と一緒に居たいと思っている。
だから、きっと大丈夫」
と、照れたように言う。
……これはミカサの思い込みなのか、はたまた本当にエレンとミカサは相思相愛?というものなのか。
どっちか分からない私には「そっか!」と言って、明日エレンがいい結果を残せると信じるくらいしか出来なかった。
「エレン・イェーガー
覚悟はいいか?」
「はい!」
次の日。いよいよエレンが訓練兵としてここに残れるかどうかが決まる日だ。
エレンの緊張した顔にこっちも少し心配になる。
いや、ミカサも言ってたんだ。エレンなら大丈夫だって!だからそれを信じよう。
……あ、アルミンは心配そうにエレンを見てる
「始めろ」