夢追い人【進撃】
□6話
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「ここだって、5年前までは内地だったんだぞ」
「何が言いたいんだ?エレン」
不満そうにジャンが聞く。
ああこれ、いつもみたいに喧嘩する気がしてきた……
エレンは、容器に入った飲み物を飲んでからジャンを見て一言
「ジャン。内地に行かなくても……
お前の脳内は快適だと思うぞ」
なるほど上手い、そう思って思わず苦笑をもらす。
周りからも小さくだけど、笑う声がちらほらと聞こえている。脳内快適男……うん、面白い。
「てめぇ……」とエレンに対して呟くジャンにエレンは続けた。
「おかしいと思わねえのか?巨人から遠ざかる為に巨人.殺しの技術を磨くって仕組みをよ」
「今さら何言ってんだ?俺のためにもこと愚策は維持されるべきだ」
負けじとすぐに返したジャンの言い振りが効いたらしく「このクズ野郎!!」と怒鳴りながら立ち上がるエレン。
それに対してジャンも「うるせぇこれが現実だ!」と言ってエレンに向かう。
喧嘩だ……。
「エレンやめなよ……!」
「やめなさい」
互いに胸ぐらを掴みあった所で、慌てて立ち上がるアルミン。
けれど、先に二人を制止したのはミカサだった。
ミカサはジャンの胸ぐらを掴んでいたエレンの手を両手で包みながら降ろして見つめる。
エレンはそれで冷静になれたみたいだけど、これを見せつけられたジャンは……
「ふざけんなよててめえ!!」
壁にエレンを押しやって叫んだ。
こればかりはご愁傷様としか言えない。あんなの嫉妬しちゃうよね、しょうがない。
そんな事は少しも気付いていないエレンからすればただの一方的な八つ当たりでしない。結果的にエレンもキレる。
「はあ!?離せよ破けちゃうだろうが!!」
「服なんてどうでもいいだろ羨ましい!!」
あ、ジャンの本音でた。
「はあ!?何言ってんだ……!」
エレンはそう言って何かに気付いたような顔をしてすぐに今にも殴りかかってきそうなジャンを上手く躱して地に伏せさてた。
「すご……」