夢追い人【進撃】

□7話
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ひと通り泣きはらしたエレンが人の気配を察知して、振り向くとそこにはミカサとアルミンが追いついていた。
エレンは何も言わずにまた前に向き直ったので二人も何も言わずにエレンの側に寄って座る。

「エレン、さっきの夢の話って……」
「ああ。お前の受け売りだ。『壁の内側じゃなく外へ』」

それを聞いてアルミンはほんの少し俯いた後、正面を真剣な眼差しで見つめながらエレン達に自分の意思を話すように言った。

「僕は調査兵団に入る」

エレンはアルミンの言葉にギョッとした。
まさか、人一倍どころか三倍ほどは運動面が不得意なアルミンが言うのだ。エレンでなくとも同じ反応をするだろう。

「な、アルミン本気か!?お前、座学はトップなんだからそれを活かせよ!」

「死んでも足手まといにはならない!」

「……」

エレンの講義に自分の意思は固いことを伝えるように、もしくは自分自身にも言い聞かせるように言うアルミンにエレンは黙ってしまう。

「私も調査兵団にする」

アルミンに続けるようにミカサも静かに言った。エレンはまたもや困惑させられる。

「おい!お前は首席だろ!憲兵団にしろよ!」

自分が憲兵団行きを蹴っているのを棚に上げ、ミカサをまくしたてるように言う。だが、ミカサは動じることなく続けた。

「貴方が憲兵団に行くのなら、私も憲兵団に行こう。
貴方が駐屯兵団に行くのなら、私もそうしよう。

エレンは私と一緒にいないと、早死にするから」


「頼んでねえだろ、そんなこと……」
ミカサの言葉に呆れたように頭を抱えて呟いた。

「もうこれ以上、家族を失いたくない」

そう言うミカサの言葉を背中で聞いて、エレンも何も言えなくなる。
そして、諦めたように空を見上げた。

エレンに続けて、アルミンも、ミカサも壁の向こうまで続く夜空を見た。


「……あ」
「どうしたんだよ、アルミン」

何かをさ思い出したように声を出したアルミン。
それにすかさずエレンが気づいて声をかけた。

アルミンの中で思い出されたその頼まれごとまでは、確かまだ時間があった事もすぐに思い出しアルミンの中で自己完結をし、エレンにも「取るに足らない事だよ」と言ってその場をごまかした。

「それより、もうすぐ消灯時間だよ。兵舎に戻ろう」

そう言われエレンもミカサも、もうそんな時間なのかと気付き各々に分かれて兵舎に帰っていった
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