夢追い人【進撃】

□9話
2ページ/2ページ

「それに、そんなに自信がないならマルコに直接聞けばいいと思うよ」

「アルミン!?」

思わず机に突っ伏した顔を勢いよく上げてアルミンを見た。
なんて事を。そんなこと、出来るわけない。羞恥心で卒倒するのが目に見えてる。

アルミンは私の剣幕が相当だったのか、少しひきながらまたも問題発言を繰り返す

「あれ、僕、変なこと言った?
……あ、見てた人がいるならその人達に聞いてもいいと思う。丁度そこにミーナもいるし

なんなら僕から聞いても」

「い、いや無理だよ!そこまでしなくてもいいよ!!昨日の話これでお終いにしよ!」

アルミンに最後まで言わせまいと慌てて口を出す。
慌てすぎてちょっと声が大きくなってかもしれないけれど、それでアルミンがやめてくれるなら構わない。

そう考えたけれど、声を聞きつけて

「なになに?昨日の話って夜の話?私も混ぜて!」

ミーナは自らこの話に乗り込んできた。
今の所、私の考えてる中で結構悪い方向に話が進んでる気がする。まずい

「ご、ごめんミーナ。丁度その話だったけどもう終わったんだ」

何かうまい言い訳を言わないと、と考えながら挙動不審になってた私を助けてくれたのは意外にもアルミンだった。

どう思ったかは分からないけれど、ミーナはそれを聞いて「そっかー残念」と口元をニヤニヤとさせながらもとりあえず引き下がってくれた。

ミーナが自分の食べていた席へ戻るのを見届けて、アルミンにお礼を言う。

「……アルミンありがとう」

「お礼を言われる程でもないよ」

元はと言えば、僕がこうなるかもって分かっててやってたから。

付け加えて言われて、感謝の気持ちがどこかへ行きそうになったけれどとりあえず助けて貰えたのは事実だと引き止める為に私の中で葛藤する。

「ミーナの反応からして、多分全部夢じゃなさそうだね」

私の葛藤など知らず、疑問が解決してよかったねと曇りない笑顔をアルミンはこっちに向けてくる。

「あはは……」

そんなアルミンに、葛藤してたのがどうでもよく感じて私はわざとらしい乾いた笑いを零しながらまだ半分は残ってる朝食を口にした。


次の章へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ