story

□負けへんから
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終演後、真っ先にななの元に駆け寄った




「よく頑張ったな」



「彩ちゃんが隣にいてくれたからやで.....」



なんやのこの破壊力




「......彩ちゃん...でもな....私な...」




また泣き出しちゃった...
やっぱ不安よな



「.....不安よな」



「うん....ありがたいことやと思うし
チャンスとも思うねんわかってる

....でもやっぱりまだ怖い

私じゃ彩ちゃんの力になれへんし

頼りないしこうやって泣き虫やし

こんな私が副キャプテンっていいんかな...」









「なぁ顔上げ
私はななで安心したよ」


わたしは震えるななの両手を握って
まっすぐ目を見て話した




「え......どうして」





「やって、誰より信頼してる人やから

もちろん上西も今までよくやってくれた
でもだからって比較する必要もないし
ななやって一人やない

チームのみんながいるやろ?



それに何より私がそばに居るから

支え合ってこ?
わたしはななが隣に居てくれるだけでいい

それだけで支えてもらえる


だからお互いに支えてけばいいやんか

兼任で苦しくなること
しんどいことがあるときは
ここに来てわがまま言えばいいねん

それにAKBさんにだってたくさん
可愛がってくれてる先輩がいるやろ?」







「.......うん」


ななの瞳には大粒の涙が流れ落ちた





「止まってもいい
戻ったっていいねん

みんな味方やから
自分らしく頑張ったらいい」






そう言うとやっと顔を上げて
大好きな笑顔を見せてくれた


今にも溢れてきそうな涙を
いっぱいためて






「.......一人じゃないねんな

わたしみんなのこと見えへんくなってた
自分にいっぱいいっぱいすぎて

一人なんやって勘違いしとった


みんながいてくれるんよね
ずっとそうだったやんな」





「そうやで!!当たり前やんか!」





「ありがとう彩ちゃん


....私負けへんから見ててな」







「うん
誰よりそばで見守ってんで」


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