story

□ずっと隣で
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-彩side-



〜1年半前〜





「彩ちゃん...あんな話があんねんけど」


「どうしたん?」


テレビの収録が終わって
メンバーが帰り始めた頃やった

ななが真面目な顔して
私の目を見ながらそう言ってきた


「私な、やりたいこと見つかってん」


「うん

まだ卒業せーへんやんな?」


一瞬にしていろんなことを考えて
ついつい本音が出てしまった



「卒業はしいひんよ!」





「やんな~
よかったびびったわ」





「私な、夢も全力で追いかけたい
でも今のNMBの活動大好きやから
まだここにおりたい」


「うん、いくらでもおったらいいやん」



そう言いながらも
ずっと隣におって欲しいのは
私の方やった



「でもな....」

ななが言葉を詰まらせた


「どしたん?なんでも受け止めるから言ってみ」



「私が叶えたい夢の本ちゃんまで
あと2年以内やねん」



私は言ってることが理解できなかった
どういうこと?

あと2年で夢叶えるってこと?


頭の中はハテナだらけだった



「試験があんねん
私国家公務員になりたい

ずっと航空関係行きたいって言っとたやん

それでな、航空管制官になりたいねん」



私はただただ黙ってななの話を聞いた


「それでな4年生の6月に試験があんねん
だからそれまでには卒業しやんとなって」




確かにななは昔から頭も良くて
インテリアイドルって取り上げられてた


「それっていつぐらいに卒業するとか
もう決めてるん??」



「そこやねん.....私な

どっちも好きやし
今の自分にとってどっちも大事やって思う

だから難しいのは承知やけど
両立したい

両方120パーセントの力で
やるって決めた」





最近なんか思い悩んでるなって
思ってたらそのこと考えとったんか


「そっか
そんなら私は応援するよ

どんな決断をしてもそのつもりやったし」





「迷惑かけるかもしれへんよ
かけへんように頑張るけど...それでも」



「そんなん気にしいひんくていい

なならしく自分のペースで
どっちも頑張ったらいいやん」
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