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□すれ違いの恋
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-ななside-




私の好きな人

山本彩



彩ちゃんは1期生でキャプテンで
私には縁遠い存在


NMBの3期生として加入した頃は
怖いもの知らずというか
世間知らずというか

グループの活動に関しては
常に一生懸命やったのは
今と変わらへんけど


上下関係とかそういうものも
あんまり気にしてなくて

だけどそれでも優しくて
可愛がってくれる先輩たちに甘えとった




今も先輩たちには可愛がってもらっとるし
それに甘えてる部分だって少なくない




だけど


彩ちゃんにだけは違った








私が悪い

彩ちゃんに勝手に
恋をしてしまった私が悪いんや





そんな自分の気持ちの変化に
気がついてから

楽屋おってもやきもきして



他の先輩と同じようにしやなあかん
って気持ちが私を変えていったんやと思う


別に何か悲しいことがあったわけでも
みんなとおるのがつまんなくなったとか
そんな理由があるわけやないのに


一人で考え事したりする時間が
格段に増えたことは自分でも自覚しとった



そうでもしないと彩ちゃんへの気持ちに
蓋をすることに耐えられへんかった


同じ空間におっても
他の先輩と同じ態度で
話したり遊んだりなんてできないって
わかっとったから






それでもそんな私の気持ちに
気づいてへん彩ちゃんは


ずっと変わらず私のことを
可愛がってくれてるみたいで



私が一人でおるのに気がつくたびに
近づいてきて声をかけてくれたり

何も言わずに隣に座ってきたりした




もちろんその気持ちは嬉しかった





でもその度に
思いをを伝えたい気持ちと
それを伝える恐怖で

胸が締め付けられた




「なな、なんかあったん?」


「なんもないですよ!」



いつもその繰り返しやった



まぁよくもこんな関係を
長い間続けられたと思う




そんな私を見捨てないで

気にかけ続けてくれる彩ちゃんは
ほんまに優しい人やねんな





昔みたいに素直に甘えられたら楽やろな
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