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□さよならなんて言わないで
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-彩side-



ここ数日ななの様子がおかしい


何日か前から具合悪そうにはしてたけど
それが原因ではなさそうだった






彩「ねえ、なんかあったん?」


現場で一緒になった時に
ふとななに聞いてみる


でも、

なな「ん?なんもないよ」



その一点張り

話してやって言っても
ほんまに何もないって
教えてくれなかった




様子がおかしいことなんて
わたしにはお見通しやのに



ななはよく体調を崩すし
公演中に何度か倒れることもあって
わたしもななの変化には
だいぶ敏感に気がつくようになった





でもこの時のわたしは何も知らなかった

なながどんな気持ちで
わたしと接していたのか

どんな気持ちで毎日を生きていたのか










『今から会えへん?話したいことある』


翌日、突然ななから連絡が入った

『16時に仕事終わるからその後会えるよ』



仕事現場の近くの
カフェで待ち合わせをした




なな「急にごめんね」

彩「何?話って」

なな「結論から言うと..別れよう」

彩「えっ......」



突然すぎる
そんな雰囲気なかったやんか


つい昨日までは
一緒に笑って
一緒に過ごしてたのに



彩「....なんで」

なな「......別れて」


彩「.....答えになってへん」





ななは黙り込んでしまった





彩「言ってくれなきゃわからへんやん

...あたしのこと好きじゃなくなったん」



なな「.....」



彩「....なぁ、答えてや」



なな「...うん、
もう彩ちゃんのこと好きやない...」







彩「....そっか....」



好きじゃないって言われたら
そりゃ別れるしかなかった



好きやったのは
わたしの方だけやったんや....



なな「...ありがとう今まで...
たくさん気にかけてくれて嬉しかった


じゃあ....また明日」



彩「.....うん」



ななの言葉に何も返せなかった


明日からまた
普通にやってけるやろうか....




ななが店から出て言った後
わたしは静かに1人涙を流した
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