逆トリ!逆トリ!!
□プロローグ
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偶然だった。家の近くの公園を通りかかったら、何かいた。見えない何かが。公園で遊んでいる子供達は気付いていないようだ。
端にいる8個の、何かに。
(とりあえず一回家に帰ってからもう一度来るか…。)
カバンを肩に掛け直し家に帰った。
そろそろいいかな?辺りが暗くなって来た。子供達はもういないだろう。
私は公園に向かった。
それは先程と変わらず同じ場所にあった。
何かは分からないが、敵意はなさそうだ。
私は近づいて触れた。…?服?
「人…?」
腕なのかな?
触れた手を下にずらす。次に触れたのは手、だろうか。手の感じからして多分男の人。
「手、だよね…?貴方達、人なの?」
手を強く握られた。
どうやら合っているようだ。
「…人…なのか。じゃぁ、何で見えないの…?」
そんな事、聞いても分からないか。
どうしよう…。
手を持ち上げられ、手のひらを上に向けさせられる。指で手に文字を書いているようだ。
「…ん?たすけてください?」
再び手を強く握られる。
それは、音の無い叫びだった。