暁のヨナ
□ちぎれた絆
1ページ/4ページ
城に戻った自分を待っていたのは
何時もの光景じゃなかった
鈴のような声で話す可愛い妹のような彼女も
唯一無二の肉親も
実の弟のように思っていた優しい彼も
誰も居なかった
否
優しかった筈の彼は
冷たい瞳をして
自分の知らない人になっていた
誰か
誰か
誰でもいいから
嘘だと言ってくれ
もう
嘗ての自分たちの間にあった絆は
ちぎれてしまった
自分はどうしていれば善かったのだろう
せめて
あの子達が無事でいてくれればそれで良い
迷うな
覚悟を決めろ
後戻りなんてきっともう出来ないのだから