暁のヨナ
□或る女の夢
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昔からそうだった
物心ついた時には頼れる大人なんて居なかった
背中には唯一の肉親の弟だけ
“自分が守らないと”
そう思う前に体が動いていた
だから誰かを頼るっていう感覚がいまいちよく解らない
別に“お金持ちになりたい”とか
“素敵な異性の伴侶になりたい”とか
全然考えたことがなかった
唯々あの子達が幸せに笑ってくれる未来だけしか考えていなかった
だからそのためには少しでもこの国に降りかかる脅威を減らしたかった
...だからなのかなぁ...
“彼”の変化にも気付けなくて
“あの子”を悲しませてしまったのは
...きっとそのせいなのだろう
ごめんね
何も気付けなくて
ごめんね
何時も誤魔化して
知ってるよ
お前が何時も不安そうに顔を歪めるのも
“何で何時も行き先を言ってくれないんだ”って思っているのも
知ってるよ
でも、やっぱり自分は
お前たちが大事なんだよ
ごめんね
こんな姉で