暁のヨナ

□心におさめた槍
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〜ハクside〜


姫さんからの俺に対する評価がよく分かった


そりゃそうかとも思うがもうちょい何とかならないのかとも思った


それと同時に姫さんから見た姐さんの姿というものも分かった気がする


“実の姉のように”......か


姐さんも姫さんの事を実の妹のように接していた時期があった


だが“ある事件”をきっかけにその振る舞いは許されなくなった


“ある事件”...それについてはまたいつか...な








姫さんの様子を観察してみれば以前よりは笑顔が戻ったと思う


この調子なら此処で過ごすのが一番なのだろう


風の部族の連中には迷惑をかけてしまうがそれが一番姫さんの命の安全が保障される方法だ



大方、姐さんも同じ考えだと思う



それと同時に自分自身がこれからどうするかも決めている



どうせ俺に濡れ衣を着せるのだろうから此処を出て、旅に出るのが良いだろう


まぁそのためには説得しないといけない人物は約二名ほどいるが



納得してもらえる自信なんてない


特にあの人はそうだ


さて......どうしたもんか






そう考えているうちに外に出ていたみたいで前方には洗濯物を抱えた姫さんの姿が



ヨナ「川......?」


ハク「こっちだ、女官どの。」



女官として扱うとは言ったが最初から全部できるとは思っていない

だから少しでも教えておかねーとな...



川まで来て自分は洗濯する為に使う桶を取り出す


ハク「そこの川で洗濯するんです。この川は風の部族にとって命の水でもあるんで大事に...」


“大事にしてください”と俺が言いかけた時だった


ヨナ「ハク...できない...」


ハク「あのな、まだ何もしとらんだろーが...!」

これだから...


ヨナ「だって...水がないもの...」


その言葉に驚いて川に駆け寄ってみる

ハク「川が......枯れてる....!?」
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