暁のヨナ

□咆哮
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〜ヨナside〜


ハク「_____一旦、ここに身を潜めましょう。」



イアルの言葉によって再びハクに連れられ山に入った私達は少し木が茂っているところに身を潜めることにした


ヨナ「ハク...イアルは...」


あの時、私が躓いたりしなければイアルは矢を射られずに済んだ



ハク「....そうですね....だがあの人は強い。俺は知っている。」


ヨナ「けど...」



ハク「姫の仰りたいことは解っています。

   だがそれは反ってあの人を窮地に陥れてしまう。」



ハクのその言葉が胸に突き刺さる



それと同時にイアルに言われた言葉を思い出す


“イアル「守りながら戦うという事は


     自分も守りたい人も危険に晒す。」”



私は何もできない



ただ二人の足を引っ張るだけ



それならこのまま身を潜めていた方がいいのだろう



そう思っていた時だった



少し離れた所から火の部族の声がした



テジュン「ヨナ姫とハクは何処だ!!?」


フクチ「イアル殿が逃がしたようですね。」


テジュン「くッ....必ず見つけ出せ!


     それにしても...あの女はやはり厄介だな。一人で何人の兵を倒しているのだ。



     ....だがあの女も所詮は人の子よ。

     ここにきてようやく疲れを見せ始めた。」



フクチ「それもそうでしょう。先程当てた矢は毒矢です。」



ハク・ヨナ「「!!」」



フクチ「常人ならまず動くこともできないはずです。恐ろしい女です。」


テジュン「何!?それを姫に向けたのか!?」


フクチ「姫を狙えば必ず雷獣か剣獣が体を張ってでも庇うと確信があったので。」



テジュンたちの話を聞き、イアルが今どういう状況なのかが明確となった



思わずハクの方を向くとハクの顔も険しくなっていた

ハク「くッ......不味いな...」


それはきっとイアルが危険だという事なのだろう


ヨナ「ハク、イアルのもとへ行きましょう。」


ハク「!!....分かりました。俺が加勢しに行きます。


   だが姫さんは此処にいろ。」


ヨナ「でもッ...!!!」



ハクの言葉に反論しようとした


でも私のせいでイアルが危機に陥っている


これ以上負担はかけられない



ハク「...必ず、姐さんを連れてきますから。」



ハクはそう言い、私の頭を一撫ですると走って行ってしまった







私に出来ることは__________



























_____何もない
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