短編
□月下美人
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「ヒョン。」
ミンギュは、月光の薄明かりの中、頼りなく影を落としている細い背中に声を掛けた。
その背中が、びくりと揺れた。
振り返らないその人にしびれを切らし、ミンギュは正面に回り座っているヒョンの目の高さに合わせ、膝をついた。
「…ミンギュ」
前よりも痩せたヒョンの顔は、ミンギュが知っている彼よりも儚さを感じさせた。
一度は合った目を、再びそらしたヒョンは、小さく俯いた。
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