あるある
□最強
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朝が来た。
とはいってもまだ5時で、目覚まし時計も鳴いていない。
なぜ、そう思ったのか。
それは恋人であるさよが起こしに来てくれたからだ。
それは毎朝の習慣であり、ボクは彼女に起こしてもらいたいがためにわざわざ二度寝をする。
「……おはよう?」
だけど、清々しいはずの朝は、混乱で埋もれてしまった。
息を切らしてドアを開けたさよ。
問題は、そう、ドア。
彼女が開けたとたんボクのベッドに向かってドアの板が吹っ飛んできて、窓の外にゴールインした。
「…こ、狛枝くぅん…」
へとへととその場に座り込んでさよが涙を滲ませる。
「つまり、朝起きたらとんでもない力を身につけていて、それがうまく制御できない、ってとこかな」
「はい、さようでございます」
彼女はボクの腰に優しく抱きつき、頭を擦り付けてきた。
すっかりいじけている。
この調子だときっと、ここにくる前までにも壁や自室のドア、ベッドなんかも破壊してきたのだろう。
「大丈夫!すぐによくなるよ!」
さよの頭をなで、ウトウトしだす彼女を強く抱き締めた。
……ちなみに、彼女に抱き締めてもらうのは、遠慮してもらった。