毒舌ナルト(女) 忍法帖!!

□C?B?いいえ、Aランク!
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《春野サクラ、A地点到着》
《…ナルト、B地点到着》
《うちはサスケ、C地点到着》
三人の声が無線機を通してカカシに伝わる。
《目標との距離は?》
《…約5メートル…いつでも行けます》
《私も》
《俺もだ》
サスケが返事を返すと、カカシから合図が送られる。その合図と同時に三人が素早く地を蹴り目標の猫へと飛びかかる。ナルトが暴れる猫を素早く捕らえ、首を掴んで持ち上げる。
「ニャーーーーッ!!!?」
《右耳にリボン…目標のトラに間違いないか?》
「あぁ。間違いない」
サスケが答える。その後ろでは、あまりにも引っ掻いたりして暴れるトラに、ナルトが睨んで黙らせていた。紅髪蒼瞳なだけに凄むと迫力がある。
《よし!逃げ猫“トラ”捕獲任務終了!》
カカシの声が任務終了を宣言した。

「あぁ私の可愛いトラちゃあん!!無事だったのね〜!!」
「ニャア”ーーーー!!」
「あれは逃げたくもなるわね…」
「……いい気味…(嘲笑)」
『ッ‼』
ナルトから黒いオーラが出ているのに気づいた三人は顔を引き攣らせる。よく見ると、ナルトは引っ掻かれたせいで服がボロボロだ。キレたナルトは何よりも怖い…いや、恐ろしい。
「次の七班の任務は…芋掘りの手伝いに「ちょっと待った」…なんじゃナルトよ」
三代目の言葉を遮るナルト。ナルトは苛立ちを隠しもせず、心なしかいつもよりも低い声で言う。
「他の任務はないのですか?はっきり言ってこんなチンケな任務、忍者に頼まなくともそこら辺の奴…アカデミーのガキ達でもできます。わざわざ私達がやらなくてもいいじゃないですか。そんな事も分からないほど耄碌したかクソジジィ(ボソッ)…もっとこう、“あぁ、確かにこれなら私達じゃないと無理だな”と納得出来るような任務はないのですか?」
少し悪口が聞こえたような気がしないでもないが突っ込むのが怖いので無視する。ナルトの言葉に三代目は少し悩む仕草をする。その横でイルカがナルトを叱っている。
「コラ!お前達はまだペーペーの新米なんだぞ⁉それに大切な任務をチンケなど「よい、イルカよ」し、しかし…」
「そこまで言うならCランク任務を与えよう。ある人物の護衛じゃ。入ってきて下さいますかな」
三代目の言葉に火影室のドアが開き、酒瓶を片手に持って明らかに酔っている男が入ってくる。
「なんだぁ?超ガキばっかりじゃねぇか!」
サスケとサクラが顔を顰める。
「特にそこの一番ちっさい女ぁ!お前ホントに忍者かぁ⁈」
ナルトは咄嗟に二人を“見上げる”。二人を見上げている時点でナルトが一番小さい事が分かる。女はサクラとナルトの二人なので、必然的にナルトの事を言われているのだと気づく。
「(ただでさえ苛立ってるのにそこに加えて常識も知らないような失礼極まりないクソジジイを護衛する任務…他の奴に殺される前に私があの世への引導を渡してやろうかこの棺桶に片足突っ込んだ死に損ないが)…」
内心ナルトは怒りながら無表情を保つが、瞳が氷の冷たさから絶対零度の眼差しに変わり、それに比例して室内の温度が一気にマイナス零度にまで下がった。
「(ちょっと何してくれんのよこのクソジジイ!!これ以上ナルトの機嫌を損ねてどうすんのよ!)」
「(オイオイただでさえナルトは機嫌が悪いのにもっと悪くしてどうすんだよ⁉俺達を殺す気かあのジジイは⁈)」
「(さ、寒い!!ナルトの殺気が!!)」
ナルトの機嫌が今最低ラインにまで下がっている事を悟った五人は内心焦りまくる。
「ワシは橋作りの超名人、タズナという者じゃ。これから命を懸けて超護衛してもらう!」
まぁ若干上から目線の態度にイラァッとしたものの、自己紹介はできたので少しだけ←(強調)機嫌が直る。
「じゃ、二時間後に門の前に集合ね。遅れないよーに」
『お前が言うな』
カカシの言葉に三人が一斉に突っ込んだ。

「あ、あのカカシが…」
「じ、時間通りに…」
「……(興味ない)」
「お前らネ…」
教え子達のあまりの物言いに顔が引き攣るのを隠せないカカシ。
「おい、ホントにこんなガキばっかで大丈夫なのかよぉ?」
「大丈夫です。いざとなったら俺がついていますので」
カカシがそう言って歩き出すのに三人はついて行く。ナルトは初めて木の葉の里の外に出ることに少しワクワクしていた。

サクラが波の国についてカカシに問い、カカシがそれに答えている横でナルトは、約5メートル離れた所にある水溜りをジッと見つめていた。
「(ねぇ九喇嘛。ここ最近雨なんか降ってないよね?)」
『うむ。降ってない筈だが…どうした?』
「(だってあそこに水溜りがあるんだもん)」
『いかにも怪しい件についてww』
「(それな)」
『どうするのじゃ?儂は手助けしないが』
「(…ひとまず様子見かな)」
『わかった。儂は寝る』
「(ハイハイ。おやすみ)」
ナルトは九喇嘛が寝たのを確認して水溜りから目を離した。どうやらカカシの話はまだ続いていたみたいだ。
「ま、安心しろ。Cランクの任務で忍者対決なんてしやしないよ」
「なあ〜んだ!それなら安心ね!」
「……」
カカシとサクラの言葉にタズナが明らかに目をそらすのをサスケとナルトは見つめていた。
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