毒舌ナルト(女) 忍法帖!!

□中忍試験!!〜いきなり難関!?第1次試験開始!!〜
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『……』
扉を開けて入ったナルト達が受験生の多さに驚いて固まっていると
「サスケ君、おっそぉ〜い♡」
とイノが束ねた長い金髪を揺らしてサスケに抱きつく。
「私ったらぁ、久々にサスケ君に会えると思ってぇ、もうわくわくして待ってたんだからぁ〜♡」
甘ったるい声を出してサスケに抱きつくイノに、ナルトは暫し驚愕する。こんなイノは初めて見たのだ。
一方、サクラの方は込み上げる怒りを堪えず、イノを思いっきり指差して怒鳴る。
「サスケ君から離れぇい!!イノブタァ!!」
「あ〜ら、サクラじゃなぁい。相変わらずのデコり具合ね!不細工ぅ〜」
「何ですってぇ!!?」
「べ〜!」
と、イノとサクラの喧嘩が始まる…かと思いきや、それは新たな人物達によって遮られた。
「何だよ。こんなクソめんどくせー試験、ナルトも受けるのかよ…っておーい、ナルトー。戻ってこーい」
シカマルがチョウジと共に話し掛けるが、未だ茫然としているナルトは身動きひとつしない。
「……」
「おーい、ナルトー?」
「……!え、あ、シカマル…?」
二度目の声掛けでやっとナルトの意識が戻る。
「よ」
「いつのまに…」
「さっきから居たけどね」
「き、気づかなかった…」
「ナルトもこの試験、受けるのかよ?(二回目)」
二度目の問い掛けに、今度はナルトもちゃんと答える。
「ん。“も”ってことはシカマル達も受けるんだね」
「そうなんだよ。めんどくせー…」
「それはいつものことでしょ」
「そーだな」
と、緩い会話をしていると
「ヤッホーゥ!!」
「ゔっ……、」
キバが思いっきりナルトに抱きつく。タックル並みの威力にナルトから死にそうな声が出る。
「これはこれは…皆さんお揃いで」
心なしか蒼白な顔をしたナルトの肩に手を回した状態でそう言い放つキバ。それを見たシカマルが黙っている筈がなく…。
「おいキバ、ナルトが死ぬだろうが」
と言いながらキバのジャンバーのフードを思いっきり引いてナルトから引き剥がす。
「大丈夫か?ナルト」
「な、なんとか…」
少し咳き込むナルトの背中をさするシカマル。
こんな微妙な空気の中、キバが話を戻す(?)。
「なるほどねぇ。今年の新人下忍九名全員受験って訳か。さて、何処までいけますかねぇ、俺たち…ねぇ、サスケ君」
「えr…「えらく余裕じゃん、キバ」…ナルト、俺のセリフ取るな…」
「俺たちは相当修行したからな!お前たちには負けねぇぜ!(…ナルト以外は)」
「(…キバの奴、“ナルト以外は”って絶対付け足したな、今)」
キバの自信満々な顔を見ながらシカマルが心の中で呟く。
その隣でずっとお菓子を貪っていたチョウジは赤丸をじっと見つめ
「(赤丸…美味しそうになったな…)」
と心の中で呟く。そのまま赤丸に近寄ろうとしたチョウジの前にシノが立つ。
「なんだよ?」
「……」
シノは床に視線を向けているのか少し俯いている。チョウジもつられて下に視線を送ると、一匹の虫が横切った。
「……踏むな」
「は?」
「踏むなと言ったんだ」
シノの忠告に変な勘違いをしたらしいチョウジはこう言った。
「お前、これ食うのか?」
『……』
その一言で微妙な空気の中沈黙暫しの間訪れる。
その沈黙を破ったのは少し長い銀髪を一つに束ねた眼鏡の青年だった。
「おい君たち」
『!』
「もう少し静かにした方がいいな」
そう言いながら九人の前で歩みを止める。
「君たちがルーキーナイン。アカデミー出たてホヤホヤの新人九人だろ?可愛い顔してキャッキャと騒いで…。全く…ここは遠足じゃないんだよ」
「誰よアンタ、偉そうに!」
勘に触る喋り方にイノがイラついたように問いかける。
「僕は薬師カブト。それより、周り見てみな」
『!』
カブトの言葉にナルト以外の全員が辺りを見渡すと、ほかの受験生たちがこちらを睨みつけているのに気付く。
「みんな試験前でピリピリしてるんだ。どつかれる前に注意しとこうと思ってね」
『……』
黙り込む九人を見てカブトは苦笑した。
「…仕方ないか…、まだ右も左もわからない新人さんたちだしなぁ。昔の自分を思い出すよ」
「…カブトさん、でしたっけ」
「あぁ」
「じゃあ、カブトさんは二回目なの?」
「いいや、七回目。この試験は年に二回しか行われないからね。もう四年目だ」
「っていうことは、カブトさんはこの試験について色々知ってるんだ!」
「へー。凄いですね」
カブトが登場して初めてナルトが口を開く。
「でも受かってねぇんだぜ?」
「あはは…。そういうことになるんだが…;」
「…中忍試験ってそんなハードル高いのかよ…ったく、つくづくめんどくせーな…」
シカマルが嫌な顔を見てしてそう呟く。
「じゃあ、可愛い後輩たちにちょっとだけ情報をあげようかな…。この、“認識カード”で」
「“認識カード”?」
「簡単に言えばチャクラで情報を記号化して、カードに焼き付けてある札のことだ」
カブトがカードを床に置く。
「……春野」
「?」
「私、先に席ついてるね」
「え、でもカブトさんの話は…?」
「春野がよく聞いといて。後で私に教えてよ」
「え」
「…だめ?」
「っ!///わ、分かったわ!任せといて!(可愛いすぎよナルト!!)」
「…?ん」
頬を赤く染めたサクラに疑問を感じるが特に気にすることなく適当な席へ歩いて行った。

※ここもカット!!(書くのが面倒くさいなんてとても言えない…。そしてあまり長くすると私の頭がオーバーヒートする…)



ボフン!!

『!?』
突然現れた白煙に受験生全員が驚いて黒板の方を見ると、試験官とその他の上忍と思われる者たちが立っていた。
「静かにしやがれ!!このドグサレ野郎どもが!!」
試験官は皆に怒鳴った後、静かに己の名を告げた。
「第一次試験、試験官の…森野、イビキだ」
そしてその名にナルトは驚愕する。
「(森野イビキ…!?第一次試験の試験官がよりにもよってこの人なんて…)」
ナルトは知っていた。森野イビキの階級と、性格を。
イビキは音忍に少し注意した後
「では、中忍試験、第一次試験を始める。受験者は志願書を提出してこの番号札を受け取り、番号通りの席につけ」
と受験生に指示を出した。
「(あ、適当じゃダメなんだ)」
ナルトは座っていた席を立ち、志願書を提出して番号札をもらう。
「…(えっと…あ、あそこか。見事に全員バラバラだな…ん?日向の隣か)」
ヒナタの隣に腰を下ろすと、ヒナタがオロオロとしながらナルトに挨拶をする。
「ナ、ナルトちゃん、よ、よろしくね」
「…ん」
ナルトはヒナタに目を向けることなく返事をする。
全員席に着いたことを確認したイビキはこの試験内容を説明し、試験開始の合図を出した。

ナルトは頭の中で情報を整理する。

まず、一人に付き持ち点が十点与えられ、試験はその持ち点の減点方式で進められる。
試験の合否はチーム全員の合計点数で判定され、もしカンニングなどの不正行為をしたと監視員にみなされた者は1回に付き2点減点される。
そして、持ち点がゼロになった者はその時点で即失格になる。
失格になった時点で中忍試験の絶対条件である“スリーマンセル”が崩れることになるので、チームメイトも道連れ失格になる。
そしてイビキは最後にこう言った。
「無様なカンニングを行った者は自滅して行くと心得てもらおう。仮にも中忍を目指す者、忍なら立派な忍らしくする事だ」
「(…持ち点は全員十点。そして不正行為をしたと監視員にみなされた者は一回につき二点減点…そして持ち点がゼロになった時点でチームメイトも道連れで失格になる…ね。
…ん?でも失格になる条件は“持ち点がゼロになること”。
そして不正行為をしたとしても持ち点から減点されるのはたったの二点。つまり、最低でも四回まではセーフ…?でもなんでそんなまどろっこしいルールを?不正行為をした時点で失格にすれば良いはず…この試験、何かあるな…)」
ナルトは声ひとつない静かな教室の黒板を睨みつける。そこにはルールが書かれている。
「(…悩んでても仕方ない。そういえばまだ問題を見てなかったな…)」
ナルトが裏返しになっている問題用紙をひっくり返して見る。そして驚愕した。
「……ッ!?(なっ…!?こんな問題下忍が解ける筈がない…これじゃあまるで“カンニングをしろ”と言ってるようなもの………ッ!成る程ね…そういうことか…)」
ナルトはルール、そしてイビキの言葉の意味を正確に理解した。
「(全く…本当に序盤から厄介な奴に当たったものだなぁ…。
“無様なカンニングをするな”…裏を返せば“無様ではないカンニングをしろ”
この第一次試験では
“いかに敵の目を欺き情報を盗めるか”…
要するに“情報収集能力がどれだけあるか”を試されている。
だからこの試験は減点方式で、情報収集の“チャンス”を与えているのか。
失敗を繰り返す者はまだ未熟だという証になる…。
試験内容から考えて、この試験場にはあらかじめ答えを知っている者が数人いる筈。受験者はその人物を特定し、正しい解答を集めなければならない。
そこまでの能力が問われるのが、この筆記試験…九問目までの本当の目的だった。

でも、“あの人”がこんな甘ったるい内容だけで終わる筈がない。きっと最後の“十問目”に何かしら仕掛けてくる筈…。そう…とてつもなくエグい仕掛けをね…。
まぁ、それまで暇だしこの問題解いたら適当に寝ていよう)」
と、ナルトは暫しの塾考のあと問題用紙の解答欄に答えを記入し、机に突っ伏した。
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