毒舌ナルト(女) 忍法帖!!

□中忍試験!!〜生き延びろ!神出鬼没な5日間のサバイバル生活!第2次試験開始!!〜
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第二試験の試験会場は、“死の森”と呼ばれるところであった。
どちらの巻物を持っているかは知られないように、天と地の巻物があるうちのどちらか片方がそれぞれの班に配られる。
試験開始の合図と共に死の森に入り、五日間の間に天地両方を揃え、森の中心部に位置する塔へ持っていければ合格。途中で巻物を開いてしまったり、五日間の間に両方揃えられなかったら不合格である。
尚、この試験では“死者”も出ることがあり、“同意書”にサインしなくてはならない…が。今更そんなことで躊躇するような精神は生憎七班のメンバーは持ち合わせておらず。
「同意書書いた?」
「ん」
「書いたぞ」
「じゃ、出しに行きましょ」
『ん』
なんとも緊張感のない、開始となった。

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カチッ、カチッ

「…これより!中忍選抜試験、第二の試験を開始する!!」

アンコの掛け声と共に、一斉に入り口から受験班が飛び出ていった。

*********************

「私たちのは天の書ね」
「ん」

うわぁぁぁーーー……

『!?』
「…始まった、ね」
唐突に聞こえた叫び声に2人は身を強張らせ、ナルトは森の奥を睨んでそう呟いた。
「…!おい。どうやらこっちも来てくださったみてぇだ」
「へー、サスケ(・・・)もある程度感知できるようになったんだね」
「おい、それどういう意味…だ…」
「…?」
ナルトの毒舌にムカついたサスケは、言い返そうとしてはたと気付く。
…こいつ、今なんて言った…?
「お、おいナルト!」
「なに」
「お前…今なんて言った!?」
「はぁ?」
「良いから!」
「…感知できるようになったんだね」
「その前!」
「…へー、サスケ(・・・)でも…」
「それだ!今俺のこと名前で呼んだよな!?」
「まぁ」
「…っ!…っ!」
嬉しすぎて声が出ない様子のサスケをナルトは無視し、敵の方を睨む。
「…サスケ。理由は後で話す。取り敢えず今は敵に集中しろ」
「〜っ!!わかった!」
いつもよりテンションの高いサスケに少し引きながら、ナルトは気を引くためにちょっとした演技をした。
「私ちょっとトーイレ!」
いかにも女の子です!というような高い声を出したナルトにサクラはギョッとする。
「え、ちょ、ナルト?」
「サクラちゃん、私少し草むらに行くね!」
「え、う、うん…」
様子の違うナルトに唖然としながら、奥に消えていくナルトを見送った。

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暫くして、ナルトが帰って来た。
「は〜あ!スッキリしたぁ!」
「ナルト?一体どうし…!?」
サクラは、一体何が起こったのか分からなかった。
「さ、サスケ君!?何で…!?」
が、ドサッ!というナルトが倒れる音で我にかえる。

––––あのサスケが、ナルトを殴ったのだ。

「さ、サスケく…「本物のナルトは何処だ!」…はぁ?」
「え!?」
ナルトの姿をした奴の言葉を遮って放ったサスケの言葉に、サクラは驚愕した。
「何訳わかんないこといってるの…?」
「まさか、簡単に引っかかってくれるとはなぁ…」
「は、はぁ?」
「ナルトはそんな気持ち悪い喋り方なんかしねぇよ。それに、手裏剣のホルスターが左脚に付いてる。あいつは右利きだ!テメェはそこらの下忍より変化が下手だな…偽物野郎」
サスケの言葉に、ナルトの姿をした者はにやりと嗤って
「アンラッキー…バレちゃ仕方ねぇ」
と言うと、変化を解き、一気に突っ込んできた。
「巻物持ってるのはどっちだ!?こうなったら実力行使だ!」
と、突っ込んでくる雨隠れの額当てをした白い奴。サスケは跳躍して素早く印を結ぶと、鳳仙花の術を放った。
火の玉が敵に降りかかるが敵は意外と素早く、全て躱される。
同じく跳躍してきた敵のクナイとサスケのクナイがぶつかり合って火花が散る。

双方そのまま交差して距離を取る。

しかし、休む暇など無く敵がナイフやクナイを投げてくる。サスケは一回転して避けようと片手を使って木にぶら下がったが、ジジ…という嫌な音と、視界に入った火花を散らす紙切れが付いたクナイを見て起爆札だと悟る。
ドガーン!という爆発音と共に、サスケが地面に着地する。が、高い位置からの予定していなかった着地のためか、体に少しの負担が掛かり、少しの間固まる。その隙を敵がみすみす見逃す筈が無く、背後を取られてしまった。
「これぞラッキー。動くと殺す」
サクラは、ピンチな状況のサスケを見て声を上げる。
「!?サスケ君!!」
だが、サスケは全く焦っていなかった。
「フン」
「?…があっ!?」
サスケの不敵な笑みに敵が疑問を抱くと同時に敵が真上に吹っ飛ぶ。
「全く…あんな雑魚に手間取ってどうするの。サッサと倒しちゃいなよ」
敵がいた場所に着地した本物のナルトがサスケを挑発する。
「遅ぇんだよ、ナルト!(チャクラで吸着…!!)」
サスケは写輪眼を発動させながら足の裏にチャクラでクナイを吸着させ、勢いをつけて敵へ飛ばす。それと同時にすぐさま地を蹴り、真上へ跳躍した。敵はギリギリサスケの飛ばしたクナイを避けたが、そのせいで体制が崩れ、サスケの攻撃を避けることが出来なかった。
「ぐっ…!?」
勢いに乗って、サスケは思いっきり敵の左肩付近にクナイを突き刺した。サスケの白い頬に赤い血が飛び散る。
「サスケ君!」
「ぼけぼけするなサクラ!!こいつ1人とは限らないんだぞ!?いいか!!気を抜いたら、本気で殺されるんだぞ!!」
サスケがクナイを突き刺しながらサクラに向かって叫ぶ。敵は痛みを堪えてサスケを突き放すと、そのまま傷口を抑えて森の奥に消えていった。
「(…逃げたか)」
「(…まぁ、雑魚だし、逃しておいても平気かな)」

*********************

3人は一度集まり、輪の形で座りながら話し合う。
「一旦3人バラバラになった時、例えそれが仲間だとしても信用するな。今みたいに、敵が変化して接近する可能性がある」
「…まぁ、そうだね」
「…それで、どうするの?」
「合言葉を決めておく」
『合言葉?』
サスケの言葉に2人とも首をかしげる。
「いいか。合言葉が違った時は、どんな姿形でも敵とみなせ。
一度しか言わないからな、よく聞いとけ。
【忍歌・忍機】と問う。その答えはこうだ。

大勢の敵の騒ぎは忍よし

静かな方に隠れ家もなし

忍には時を知ることこそ大事なれ

敵の疲れと油断する時

…以上だ」
ゆっくりと言われた合言葉に、サクラが自信満々に「オッケー!」と言う。が。
「…サスケ、もう一回」
「ん!?」
ナルトの放った言葉にサクラが驚く。サスケも内心驚きながら
「一回だけと言っただろう」
とナルトの言葉を切り捨てた。
「ナルト、ひょっとして覚えられなかったの?」
サクラの問いに、ナルトは
「…いや、最終確認だから。別にその場で覚えられなくてもう一度聞けばもしかしたら覚えられるかもと思って聞き返した訳では決してないから」
と、無表情で返す。だが、その態度は寧ろ肯定している他なく…。
「そうなのね」
サクラにそう言われ、ナルトはそっぽを向いた。ナルトの記憶力は興味のあることにしか発揮されないのだ。
「…違うし。ちゃんと覚えたし」
「はいはい」
サクラは、珍しいナルトの子供っぽい姿に苦笑しながらそう答える。
その態度に余計に臍を曲げながらも、ナルトはいつのまにかサスケに伝えたかった要件をまとめた紙を渡した。
「?」
「言うのメンドイから書いといた。後で読んで」
「あ、あぁ」
サスケがナルトから紙切れを受け取った、その時だった。

ごぉぉぉおおおおッ!!!

『!!?』
突然、物凄い突風が3人に吹き荒れ、3人は簡単に吹き飛ばされてしまった。

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