毒舌ナルト(女) 忍法帖!!

□卒業試験
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試験が終わり、合格者の名前が書かれた紙が外に貼られる。親と一緒に見ては喜んでいる光景を、ナルトは無表情に見つめた。
「見てあの子。例の子よ」
「気持ち悪いったらありゃしないわ」
「あの子も卒業したらしいわよ」
「あんなのが忍びになるの??嫌だわ」
「ねぇ。だってあいつはき「ちょっと、それ以上は禁句よ」…そうね」
喜びの声に紛れてナルトを罵る声がする。だが、それを聞いてもナルトの表情はピクリとも動かなかった。
「(…早く帰ろ)」
自分の陰口をどこか他人事のように聞いてから、くるりと踵を返してフードを深く被って家へと歩いた。

ピーンポーン
「……」
ナルトのアパートのインターホンが鳴るが、ナルトは慣れたように無視して本を読む。居留守を使うようだ。
ピーンポーンピーンポーンピーンポーン
「……」
ドンドンドンッ!!ドンドンドンッ!!
「……」
ピンポンダッシュされてもドアを叩かれても平然と無視し続けるナルト。
「ナ、ナルト君、いるんだろう?出てきてくれるかい?ちょっと話があるんだ」
「……」
ナルトは無言で机の上の機械のスイッチを押す。
「ナルト君?」
「……」
ナルトはまるで此処から遠ざかっていくように気配を消す。
「…チッ。あの化け狐め。逃げやがったな…。使えねぇ奴「ご苦労様ですミズキ先生。証拠提供有難う御座いました。先程の言葉はしっかりと録音しましたので、三代目に提出してきますね(笑)。」
ナルトはニヤリと嗤って録音機を見せつける。
「ッこんのやろッ!!」
ミズキは顔を赤く染めて怒る。怒りで我を忘れているミズキの足を払って倒す。そのまま膝を上げると、そこにミズキの顔面が勢いよくぶつかり、ミズキは気を失った。
「…じぃちゃんに届けよ」
ナルトは青年に変化してミズキを抱える。そのまま火影邸に駆けて行った。
途中イルカに会い、状況説明を願われたので、説明すると、危険な事をするなと叱られた後、無事で良かったと抱き締められた。人からの愛情など貰った事が無かったからか、初めて貰ったじい様以外の温もりは、酷く暖かく、酷く心地の良いモノだった。その後、イルカと共にミズキと録音機を火影に差し出し、イルカと頭から削除されていた一楽に行った。ナルトは初めて、“楽しい”という感情を知った。


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