毒舌ナルト(女) 忍法帖!!

□C?B?いいえ、Aランク!
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ナルト達が水溜りを横切った時だった。水溜りから二人の忍が現れ、カカシを鎖で縛ると勢いよく引き、カカシの体をバラバラに引き裂いた。
「一匹目」
「きゃぁぁあああああああああ!!?」
サクラが叫ぶ。それにナルトは顔を顰めながらも自分を狙って走ってくる忍の相手をする。
「二匹目ぇ!」
「(足にチャクラを溜めて…一気に放つ!その勢いで近づいて…とりあえず捕らえておこうかな)」
ナルトは足にチャクラを溜めて一気に放つ。その勢いで一瞬にして敵の目の前にいき、素早く屈むと敵がうつ伏せになるよう上手く足を払う。倒れた敵の背中に乗って勢いよく腕を捻り上げ、後頭部に刃を突きつける。敵の武器には毒が塗られていた。それ故に自分の武器を突きつけられているこの状態で下手に動くなどという無茶な行動には出まいと、ナルトはその姿勢をキープした。とはいえ、この状態でも万が一の時も考え、少しだけ敵の首元を武器で傷つける(その際に敵の肩から鈍い音が発せられたがナルトは無視した)。するともう毒が回ったのか、敵の体から力が抜ける。だがナルトは馬乗りのまま何かを待っていた。
一方、動けないサクラの代わりに動いていたサスケは、あと少しでやられる…!というところでカカシに助けられた。二人は驚いて、先程カカシが引き裂かれた所を見ると、バラバラになった丸太の破片が。変わり身の術かと思い至り、流石上忍だと感心した。カカシがナルトの無事を確認しようと見ると、ナルトの深海の如き底のない深い青とかち合う。そしていつもの如く容赦のない毒を吐かれる。
「出てくるのが遅いんですよこんな時までのろまなんですか貴方は少しは直して欲しいですねそののろまな動き」
「あはは…いやぁすぐに助けなくてごめんごめん。でも三人共中々いい動きをしていたぞ。予想以上の動きだった」
「フン、やはり変わり身の術だったかのかよ…」
「とりあえず三人共、よくやった」
そう言って二人の頭を撫でる(サスケは嫌がりながらも受け入れていた)。ナルトの頭も撫でようとしたが、ナルトは思いっきりその手を払った。
「……ッ…ご…めん…なさい……!」
ナルトは払った後にハッとして珍しく謝る。ナルト自身も驚いている事から無意識の行動だとカカシは分かった。なのでカカシは
「タズナさん…ちょっとお話があります」
と言った後、敢えて何も言わず、黙って敵を木に縛り付けた。
「…この忍達…霧隠れの中忍ってところ…?」
ナルトが何事も無かったかのように話す。すると敵が口を開いた。
「…何故我々の動きを見きれた?」
その問いはカカシに向いていた。
「ここ数日雨なんか降ってなかったのに水溜りなんて出来る筈ないでしょ」
「(確かに。それに動きを見きれたのはただあんた達の動きが遅かっただけだし)」
内心ナルトが呟く。 すると、今度はタズナが問いかけてきた。
「…アンタ、それを知ってて何故ガキ共にやらせた?」
「私がその気になればこいつらぐらい瞬殺できます。ですが、私には知る必要があったんですよ…。この敵のターゲットが誰なのか…」
「…どういう事だ」
「つまり、狙われているのは貴方なのか…それとも我々忍のうちの誰かなのか…という事です。我々はあなたが忍に狙われているなんて話は聞いていない。依頼内容はギャングや盗賊などただの武装集団からの護衛だったはず…これだとBランク以上の任務だ。敵が忍者であるならば迷わず高額なBランク任務に設定されていたはず。何か訳ありみたいですが、依頼でウソをつかれては困ります」
タズナが暗い顔をしながら俯く。
「これだと我々の任務外って事になりますね」
「…この任務は私達にはまだ早いわ…やめましょ!」
「んー…、こりゃ荷が重いかな…」
サクラはBランクと聞いて焦る。カカシも自分達にはまだBランクは早いと思っているのだろう、良い顔はしていない。ナルトはそんなサクラ達の様子を無表情で見つめながら思考を巡らせる。
「(確かこのジジ…タズナとか言う人は波の国からきたんだっけ?…波の国って確か…)」
ナルトがそこまで考えていると、タズナが顔を上げてカカシに話し掛けた。
「先生さんよ…ちょっと話したい事がある」
そんなタズナの声を聞きながらナルトは嫌な予感に顔を顰めた。
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