毒舌ナルト(女) 忍法帖!!

□中忍選抜試験!!〜会場に着くのにも一苦労!〜
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〜大広間〜
「眼つきの悪い君!ちょっと待ってくれ!」
『…?』
ふと呼び止められ、ナルトたちが振り向くと上のスペースに立つリーの姿が見えた。
「…何だ」
サスケが恐らく自分のことだろうと返事をする。
「今ここで、僕と勝負しませんか」
「今ここで勝負だと?」
「はい!」
リーは手すりについた手を軸に飛び越えて床に着地する。
「僕の名前はロック・リー。人に名を尋ねる時は自分からでしたよね。サスケ君」
「!知ってたのか」
リーが構えを取りながら言葉を続ける。
「君と戦いたい。あの天才忍者と謳われた一族の末裔に、僕の技がどこまで通用するのか試したい!…それに…」
そこで言葉を切ると、ナルトに顔を向ける。
「……?」
無表情でコトリ、と小首を傾げるナルト。
その姿にポッ、と顔を赤らめるリー。
「ナルトさん…LOVE」
「いや〜っ!!」
それにサクラが震えながら悲鳴をあげる。
「天使だ…君は」
そう言いながら投げキッスと共に飛んできたハート形の何か。しかし、ナルトは鈍感故に見えてないのか気づいていないのか、小首を傾げた体制のまま動かない。
サクラがナルトの腕を掴んで抱き寄せたことで無事避けられた。
「流石です。では、これならどうですか」
と、今度は続けざまに大量のハート形の何かが飛んでくる。
「イヤ〜〜っ!!!」
と、サクラはナルトの肩を掴んで必死に避けさせる。その際ナルトの首がぐわんぐわんと凄く揺れていたがサクラはそれどころではなかった。
無事全てを避け切り息を切らすサクラ。ナルトは目を回してしまい、サクラが支えているのを良いことにそのまま凭れ掛かる。
「あ、アンタ、変なもの投げつけてくるんじゃないわよ!!なんか、命懸けで避けちゃったじゃない!!」
「あぁ…!ナルト、倒れるくらい気持ち悪かったのね…!」と、力なくダラリとするナルトを抱えて涙ぐむサクラ。そんなサクラに心の中で「(違う…これは完璧に春野のせい…)」と突っ込むナルトだったが、目眩のせいでクラクラするので言葉に出すことはしなかった。
「そんな必死になって避けなくても…」
と、ガッカリするリーに、サスケは話を元に戻す。
「うちはの名を知ってて挑んでくるなんてな…はっきり言って無知な輩だな、お前。
この名がどんなものか…思い知るか?ゲジ眉」
「…ぜひ!(ついてる…No. 1ルーキーと早速手合わせ出来るなんてね…!そして、証明してやります、ガイ先生!)」
リーは構えを取りながら湧き上がる高揚感を感じる。
その間にナルトはまだクラクラする頭を抑え、立ち上がる。
「はるの…わたしはさきにいってるね…」
「え、う、うん…。大丈夫?」
「あはは…(九割がた春野の所為なんだけどな…)」
ナルトは失笑して先に教室へと向かった…。

※すみませんがリーとサスケとの戦いもカットします!

少しボロボロなサスケとサクラが教室の前に辿り着くと、一足先に教室へと向かった筈のナルトがポケットに手を突っ込んで立っていた。
「ん、早かったね。その様子じゃあ…うちは、負けたの?」
「……うるせぇ」
「……」
ナルトの言葉に図星のサスケはプイッと顔を背ける。その様子にナルトは呆れた目を向けた。
「…そうか、サクラも来たか…」
『?』
「……」
カカシの意味深な言葉に首を傾げる二人。ナルトは意味が分かったのか目を少し細めた。
「中忍試験、これで正式に申し込めるな」
「……!?どういうこと?」
「……中忍試験は“スリーマンセル”で受験するのがルール。ですよね?カカシ上忍」
『…!?』
「あぁ。ナルトの言う通りだ」
「で、でも、カカシ先生は“受験するかしないかは個人の自由だ”って…嘘ついてたの…?」
「あぁ、そうだ。もし最初にそう伝えていたら、お前はどうした?」
「…っそれは…」
「“ナルトやサスケの為”だといい加減な気持ちで受けていただろう?」
「……」
「だから嘘をついた」
「じゃあ、ここに来たのがナルトとサスケ君だけだったら…」
「受験を中止していた。ここを通す気は無かった」
その時のことを想像し、ゴクリと唾を飲み込むサスケとサクラ。
「だが、お前らは自らの意思でここに来た。サクラ、ナルト、そしてサスケ、よく来たな。お前らは俺の自慢のチームだ。…行って来い…!」
『あぁ(えぇ・ん)』
カカシに背中を押され、サクラとサスケが扉を開ける。
カカシは優しい笑顔でそれを見送った。


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