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□Regret
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「夏に箱学へ行かないか?」
ー箱学。寿一のこの一言で俺の意識は一気に高校時代へ引き戻される。
俺と寿一は高校を卒業後、自転車を続けるために東京の明早大へ進学した。
強豪校だけあって、練習の環境も整っていて思う存分に走る事ができる。
高校時代は良い仲間に恵まれ、精一杯走った。
最後のインターハイで結果を残すことが出来ず悔しい思いをしたが、それでも全力で走り切った。
思い残すことはないはず。
それなのにこんなにも箱学を思い出してしまうのは、そこに大きな後悔があるからだ。
この夏、俺は大きな後悔に会いに行くことになった。