VERONICAMUS ※R18

□ビーストモード
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冒険を再開したヒロとベロニカ、セーニャ、カミュ、マヤの5人は、とにかくビーストモードをマヤに見てもらおうとモンスターを探すことに。
しかしデルカダールやソルティコ近郊には強い魔物がおらず、勇者たちを恐れて寄り付いてこない。
そこで一行はクレイモランに移動した。
そのまま古代図書館に向かって調べることにしたのだ。

シケスビア雪原で、数回モンスターと戦った時にセーニャとカミュがゾーン状態になった。
「わぁ!!セーニャさんもこの光るやつできるのか。」
マヤはカミュのゾーンは見たことがある。

「カミュ!!やるよ?」
ヒロはカミュの気持ちを確認した。このスキルをマヤが持っているとしたら、ショックを受ける可能性もある。
カミュは一瞬迷ったが、拳を強く握り直し、うなずいた。
「わかった!!」
ヒロは深く集中してゾーンを状態になった。

「すげっ勇者様まで、、、」
口をぽかんとあけて驚くマヤにベロニカが声をかけた。
「マヤちゃん、今から、ビーストモードを見せるから、カミュから目を離さないで。」

セーニャが聖なる力を解き放ち、ヒロがそこに勇者の力を混ぜ、その巨大な光の渦をカミュに向かってぶつける。
「え、、、」
マヤは泣きそうな顔でベロニカを見た。
「これが超れんけい技、ビーストモードっていうものなの。怖いかもしれないけど、ちゃんと見なさい。」
ベロニカは真剣な顔でカミュを指さした。

「グオォオオオオ!!」
カミュの身体が燃えるように光り、力をためて構えたとき、目が真っ赤に光った。

次の瞬間、カミュは猛スピードで必殺技を繰り出し、敵をなぎ倒した。

5回ぐらい大技を使っただろうか、10体はいたキラーパンサーの群れが跡形もなく消えた。

カミュはしばらくの間鋭くなった歯をギュッと噛みしめ次の獲物を探しているように見えていたが、
じっとしているうちに目の色が戻り、野獣のようなオーラも消えた。

「なにいまの、、、兄貴の後ろに一瞬おっきい満月が見えたんだけど、、、」
ベロニカに震えながらしがみつくマヤ。

「この技は、カミュの潜在能力を引き出すものだよ、どうだった?」
ヒロが優しく聞くと、カミュはマヤの顔を見れず、目をそらした。
「どうって、、、えっと、、兄貴大丈夫?」
マヤはカミュの方に寄っていき、ちょん!と指先でカミュのお腹あたりをつついた。
「余裕。それより見てどうおもった?」
カミュはなんとか格好つけながら、妹に引かれるかも、と死ぬほど緊張していた。
「どうって、、、びっくりしたよ。すごかった。」
放心状態でそう呟いた次の瞬間、マヤは頬をほくほく高揚させて叫んだ。
「兄貴すっげー!!めっちゃカッコいいっ
なにあれ超強いじゃんっ!!もう一回やってー!!!」
カミュは得意げにニヤリと笑って
「だろ?」
といったあと、こっそり胸を撫で下ろした。
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