仙道中編【完結】
□F曇りのち…?
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あさひside
喧嘩の翌日私はいつもより30分ほど早起きをしてある場所へ向かった。
ピンポーン
インターホンを押すとしばらくしてガチャリとドアが開き…、
仙道「ふわぁ〜。あれ?あさひ、どうした?」
中から眠たそうな彰が出て来た。
『おはよ。朝ごはん作りに来た。』
今日は昨日の事は引きずらず何事もなかったかのように接しようと決めていた。
仙道「お、ありがと。」
そんな私の様子を察してくれたのか彰もいつも通り部屋の中に私を招き入れてくれた。
朝ごはんが出来上がると同時に身支度を終えた彰がやって来て2人並んで朝食を取る。
『いつまでそんな腑抜けた顔してるの?しっかりしなよ、新入生たちに示しがつかないよ。』
彼は朝ごはんを食べながら今にも寝落ちしてしまいそうな顔をしている。
仙道「朝練までにはシャキッとしまーす…。なんかこうしてるとさ…同棲してるみたいだな。」
『もう、馬鹿な事言ってないで早く食べてよ…!』
仙道「ははは、あさひ照れてる?いつでも引っ越して来てくれていいからな?」
眠たそうにしているくせにこういう所はいつも通りだ。
私は恥ずかしがりながらもいつも通りの彰でいてくれたことに少しほっとしていた。
朝食を食べ終わり一緒に学校へ向かう途中…、
仙道「あさひ、昨日はごめんな…。」
『ううん。若田さんが原因でしょ…?』
仙道「ああ…。なんか俺、混乱しちゃって…。本当ごめん…。」
『分かるよ、私もだから…。思い出して辛くなっちゃったよね…。あのさ…今日から仮入部するって言ってたけど、大丈夫?』
仙道「俺は全然大丈夫!あさひも大丈夫か?」
『うん…!』
仙道「でも良かったよな!あさひ1人で本当大変そうだったもんな!」
彰は少し無理しているようにも見えた。
でもそれは私も同じだったし見て見ぬふりをしてしまった。
そして学校に到着した体育館を開けると…、
仙道「うーっす!」
『おはよー。』
一同「「「「ちーっす!」」」」
中には部員が集まり始めていて、中にいた越野と目が合うと笑いかけてくれた。
【ありがとう】そう口パクで彼に伝えて私は朝練の準備を始めたのだった。