夢小説
□亮君の嫌いな…
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今日はバレンタイン。
だから女の子はお目当ての人を見つけるので精一杯です。
「跡部様ーッ、どこにいらっしゃるんですかぁ〜?跡部様ーッ」
「忍足くぅ〜ん、どこー?おーしーたーりーくーんッ」
「鳳くんはいづこーッ」
「がっくーん!」
特にテニス部のレギュラーさん達は忙しい…、何故なら彼らはモテる。
顔はカッコイイ・可愛い・優しい等色々選べる(笑)。
そんな中、甘いモノ好きな岳人やジローは大喜び(ジローは喜ンでんのか起きてンのかわかんねぇけど)で受け取ってる。目立つの大好き!な跡部は尊大な態度で樺地にチョコを受け取らせてる。んで、あんまり甘いモノが得意じゃない忍足とか若は、引きつった笑いで受け取ってる忍足と、渋々受け取ってる若。
そんな中、俺の幼なじみ君は…。
「…何、亮ってば今年もサボんの?」
「るせぇ…黙っとけ」
青い顔、手で口を押さえながら気持ち悪そうに亮が呻いた。
そう、宍戸 亮はチョコが大っ嫌い。元々甘ったるいモノが少々苦手な彼。小学生の頃、母親が懸賞で当たったとか何とかで半年チョコ付けにされたらしい。それ以来、チョコの匂いとか味がダメなんだって。
「今年は一段とチョコ臭がしたねぇ…」
「…………最悪」
昨年は女子マネが居たせいか、それほど酷くなかったが今年は昨年に比べ、1.5倍(当社比)は凄かった。コートの真ん中に立っていてもチョコ臭がするほどに・・・(汗)
「気持ち悪ぃ…」
蒼白な顔で、まるでココもチョコ臭がすると言わんばかりにタオルを鼻に押し当てて俯いている。
「はは、あんまり無理すんなよ?…早退するか?俺が跡部に言ってきてやるから」
「…や、いい。今日はココにずっと隠れてる」
「…………ふ〜んじゃ、今日は俺もココでサボろうかな」
担いでいた鞄を腰を再び床に下ろす。あ、言い忘れてたが俺はこの部のマネージャーだ。だから部室はレギュラーの部室を使わせて貰ってる。
「…いい。一人で平気だ」
「違ぇよ。今日は俺がココでサボりたい気分なの!変な心配すんな」
「悪ぃ…
さんきゅ」
最後に亮が消えるような声で呟いた言葉が、妙に嬉しかった。
今日はバレンタイン。
女の子の大好きな日。
そして亮の大っ嫌いな日。
俺は…………。
-END-
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