Guardian-守護者-
□第二話
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皆様ドウモ。始めましてになるんですかねぇ?
俺の名前は神無月 実(かんなづき みのる)。アキの同居人やっとります。“翠”って言った方がわかりやすいかな?守護者のパートナーでもあります。
―――がちゃ
お、噂をすればなんとやら…相棒のお帰りだ。
Guardian-守護者・7-
「ただいま…」
「お帰り。どうした?暗い顔して…」
「実さん…ど、しよ……俺っ」
部屋の扉を開けるなり、俺の胸にしがみついてポタポタと涙を流すアキ。
「な゛っ、どうした!誰かにいじめられたのか!?」
「ちがっ……」
泣きじゃくるアキの肩を優しく抱き締め、背中を擦ってやる。
大分落ち着いたのか、大きかった泣き声がすすり泣き程度に変わって来た。
「何があった?」
「見られたかもしれない…仕事を」
思ってもみなかった言葉に顔が引きつるのがわかった。
「ッ………誰にだ」
自分でも驚くほど冷たい声が出た。
「宍戸 亮。ほら…いたじゃんか、前に写真見せたっしょ?」
「あ〜……あれか、ツリ目の?」
必死で記憶を探る。もしも気付かれてしまったのならば何等かの対処を取らなくてはならない。もしかしたら、彼の事を…。
「そう…」
「…いつだ」
「昨日、だと思う…」
「そうか…」
大きな溜息を吐きながら、近くのソファに深く腰掛ける。
「で、気付かれたのか?」
「いや…でも微妙。一応聞かれたから否定はしておいたけど……」
「ならいい。少し様子をみよう…もしもそれで片づかないようならば…」
「…うん。その時は俺がやるよ」
アキが堅い顔で頷いた。
しょうがない、俺たちの存在は決して気付かれてはならない。そういう、定めだ。