★アホ部屋★
□第2話
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「ぜったいにイ・ヤ・だ!」
「何でぇー?ヒロインに決めゼリフは付き物だよ?ほらほら♪」
「イヤだと言ったら、イ・ヤ・だ!!」
「…よくわからんが、俺達に逆らうのならば…殺す!」
グラサン(だって名前わかんないι)はそういうと次々弾丸サーブを打ってきた。…こ
いつも薬とやらを飲んだのか?
「うわッ…いきなり何しやがる!この…ぐ、グラサン!!」
「グラサンじゃねぇ!室町 十…」
「早くッ、黒こげになる前に!いうんだ、けごたん!!」
球が落ちた所を見ると黒く焼けこげていた。
「ちッ爆弾ボールかよ!えーと
悪い奴らは、この俺が許さねぇ!
『ら、ラヴリー☆まじかるプリンセスけごたん(だったか?)』参上!!」
「おい、話を…」
「けごたーん、スカートなんだからさぁ〜“私”とかいう気は無いわけ?」
「ねぇな。……うわッ」
グラサンは俺たちが言葉を遮られた上に無視された事に腹を立てたのか、先ほどより
もスピードを上げてボールを打ち付けてきた。
とっさに避けたが、正直ぎりぎりだ。今度は避けられないかも知れない。
「おいアキッ、何か武器とかねぇのかよ!」
「……、あっあるよ!胸元のブローチの前に両手をかざして」
「お、おぅ。…かざしたぜ?」
「で、『まじかるステッキ』と叫ぶ!!」
「ま、まじかるステッキ!…うわっ…」
言葉に反応するかのようにブローチが光り出し、棒の先端のようなモノが飛び出して
きた。
「その棒を引き抜いて!」
「お、おぅ。………ゲッ」
棒を引き抜くと…
これぞ魔法少女の必須アイテム☆魔法のステッキらしきモノが出てきた。
あの薄ピンクのテニスボールの下からピンク色の持ち手が付いていて、ボールとつな
ぎ目の色は卵色。
ボールには可愛らしい羽根と小さな王冠が付いていて、真ん中にどピンクのハート
マークが付いている。
「名付けて、『ラヴぷりステッキ☆けごたん使用』だ!」
「いらん」
本気で捨てようと思った。
「〜〜〜〜、お前らいい加減にしろよ!」
ついにグラサンがキレた。スゴイ形相でこちらを睨んでいる。
「けごたん、『美技フラッシュ』だ!!」
「はぁ?」
「ご託は後!死にたくないデショ?!」
「………ちっ、『美技フラーッシュ』」
すると中央のハートが輝き、色とりどりの小さなハートが大量のバラの花びらと共に
円を書くようにして飛び出してきた。
「!?ッ、ぐあっ………や、止めろッ」
グラサンが苦しみだし、ふらりと後ろに傾いた体を千石が支えた。千石も、どこか顔
色が悪かった。
「ッ、………一旦退却するよ、室町クン」
「せ、千石さん………くっ、お前ら覚えてろよ!次こそは必ずッ」
何とも悪役らしいセリフである。千石は額をさすりながらぶぁさりとマントを翻す
と、二人の姿は消えていた。
「………勝ったのか?」
「初勝利☆ダネ」
勝ったような気がしないんだが………
「とりあえず、俺の部屋行く?」
「あぁ………ってちょっと待て!この格好でか?」
「別に俺は構わないケド………」
「俺が構う!」
「しょうがないなぁ……、そのブローチを外して」
いわれた通りブローチを外すと、元の服装に戻った。
俺の手にはあの薄ピンクのテニスボールが握られていた。
「………、そういえばアキ。怪我は…?」
「大丈夫、ジロちゃんに治して貰った」
「ジロ…?」
「うん。まぁ、とりあえず家に行こう。話はそれからだよ」
事の真相は?選ばれし者とは?
待て!次回☆