★アホ部屋★

□第4話
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いやぁ、転校早々会えるなんて…やっぱ日頃の行いがえぇからやな!


「おい、忍足」


しかも超・美人さんときた!


「おい、聞いているのか?忍足!」


でもどうやってお近づきになったらえぇんやろか…やっぱここはストレートに、


「〜〜〜〜ッ、お・し・た・り!!!!!!」

「Σうわッ、…何やピヨっちか。いきなり耳元で叫ばんといてぇや、鼓膜が破れたらどうしてくれるん?」

「何度も何度も呼んだ。それに俺はピヨっちではない!ピヨ氏だ!!」


腕を組んだまま憮然とした顔で俺を見下ろしてくる体長、約16cm前後の生物。
ギリシア神話に出てくるようなオリーブの葉の冠を付け、白い布のようなモノを体に巻いている。
そして、その背中からは………透き通った、美しい妖精(フェアリー)のような羽根が生えていた。


「まったく、何故こんな脳内どピンクで染まったような者が選ばれし者なのか…」

「そりゃぁ、俺が悪に打ち勝つ強さと、美しさと、穢れなき心をもっとるからやろ!」

「………はぁ」

「何やねん!そのでっかいため息は!!溜息はなぁ、幸せを逃がすんやで?」

「お前と出会った時から俺の幸せはなくなった」

「ガーン、うぅ酷いわピヨっち…俺のナイーブな心はめっちゃ傷ついたで…」


―――キーンコーンカーン


「お、予鈴やな。転校早々からサボったら先生達に睨まれてまうわ。ほれ、行くでピヨっち」


ピヨっちではない!と暴れるピヨ氏を問答無用で捕まえ、胸ポケットに放り込んだ。


「ほな行くか」


昼食用に…と持ってきていたコンビニの袋を掴み大きな鉄製の扉に手をかけた。




一方、どう自己紹介すればいいのか…という悩みを抱えたままの跡部 景吾。


「………無理だ…ι」


『ラヴリーまじかる☆プリンセスけごたん』何て言えない。
例えそれがこの世を守る、誇るべき名なのだとしても。
俺には言えない。


「…他の方法を考えるか……」


そんな事ばかり考えていたらいつの間にか放課後になり、転校生…忍足(だったか?)、の姿も消えていた。


「仕方がない…」


相変わらずジローは俺の胸ポケットで睡眠中だ。…そんなに寝てどうするつもりなんだ?
まったく、(見かけと身長の割に)意外と重たいんだが……やっぱり羊一頭を一食に食うからか?
そんな失礼な事を考えつつ校庭を歩いていた。


「んにゃぁ〜………」

「ッ!?」


急に胸ポケットがもぞもぞと動き出し、ジローが顔を出した。…も、もしかして聞かれたか?いや、声には出していないはず…


「………ヤな空気がする…」

「…は?」


眠たそうに目を擦りながら俺のポケットから這い出してきた。
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