Guardian-守護者-
□第五話
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扉をくぐると、そこは知らない場所でした(BY.跡部)
目の前に広がるのは一面のお花畑…ってオイ、ここは屋内だろ?!植物園じゃあるまいし、何で花畑が!
ちょっとパニクりながらおそるおそる中に足を踏み入れる。靴越しに土を踏む感触が伝わって来た。
――本物
少し屈んで生えている花を手折ってみる。プチッという音がして、花は簡単に地面を離れた。
「青い、花?」
「あら…」
見たことのない青い花を見つめていると、後ろから人の声がした。驚いて振り向くと、薄緑色の長い髪をそのまま足らした変な格好の女…?が立っていた。
「また一人、迷い人がいらっしゃったようね」
――クスッ
女が軽い笑いを浮かべる。第六感というのだろうか、頭の中で激しく警報が鳴り響く。
「ようこそハデスの庭へ…」
「……ッ」
背筋を駆け抜ける悪寒に耐え切れず、身を翻して背後にある扉を目指した。…ハズだった。