☆時の間☆

□【運命の審判者】(FF7 クラティ)
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追いかけても、追いかけても、アナタはわたしの手をすり抜けていってしまう。

ねえ、クラウド。

アナタの目は、いったい何をみつめているの?



【運命の審判者】




 ディープグラウンドの事件が解決してから約数ヵ月後、突如クラウドが行方をくらませた。

彼の部屋には、『すまないティファ、何も言わずに行く俺をどうか許して欲しい。愛してる』とだけ、なんとも几帳面な字体で書かれた書置きが残されていて、最低限の荷物と数個のマテリアが持ち出されていた。

 すぐに調査に乗り出したティファは、かつての仲間であるバレット・ユフィ・ケット=シー(リーヴ)・ヴィンセント・シドに連絡を取り、情報収集を頼み込んだ。

ティファ自身は経営する酒場セブンスヘブンで、バレットは掘り当てた油田を経由して出来た人脈、ユフィは出身地でもあるウータイの全勢力を駆使して、ケット=シーことリーヴは元神羅の幅広い人脈

シドもまた然りで、ヴィンセントに至ってはタークスをその配下においての情報収集であった。

このとき、ヴィンセントがルーファウス=神羅を脅したなんていうエピソードがあったらしいのだが、それはレノかイリーナに聞いて欲しい。



 クラウドの手がかりを捜し求めると、必ずといっていいほど彼女らの耳に入る情報があった。

真偽のほどは不明だが、なんでも、『異界への扉が開いた』というのだ。“ライフストリームに最も近い場所”に、その扉は存在するらしい。

らしいというのは、その“最も近い場所”というのが、古代種の神殿跡地なのか、ようやく復興し始めたミディールなのか、忘らるる都なのか・・・

それとも因縁の対決に終止符を打った大空洞なのかがわからないためである。

 ある日、セブンスヘブンの外に大きなトラックが停車した。

トラックから降りてきたのはタークスのレノとヴィンセントであるが、そのトラックが神羅のロゴ入りなのが気にかかる。

「いらっしゃい・・・あっ」

 来客を知らせる鐘にそう答え、顔を上げたティファの目に飛び込んできたのは、珍しい組み合わせだであった。

「久しいな、ティファ」

「タークスから情報のお届けだぞ、と」

 最近ようやく人間らしさの現れたヴィンセントがそう返し、レノは相変わらず不思議な言語を操っていた。

相方のルード曰く、この口癖はカモフラージュなのだそうだ。

なんのカモフラージュなのかは、話の途中でルードがレノに連衡されたため、結局聞けずじまいだったのだが。



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