歌集い

□薄桜鬼
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想い出回廊/mao


ねえもしも鳥のように
自由に飛べるのなら
あなたと焦がれた空へ
飛んでゆきたい

昨日に戻れずとも
人は明日を夢見て
ひたぶる歴史を刻む
ただひとつの命 果てるまで

どこへでも どこまでも行けると そう信じて
慟哭の闇を駆け抜け 今 ここに辿り着いた

めぐりめぐる 想い出たち
光帯びて 行き交う回廊で
そっと この手伸ばせば
あの日のままに なだれ込む

その烈しさ 優しさが
儚くても 確かめあった
永久(とわ)に忘れえぬ日々は
胸の奥 咲き続けている

もう何もいらないから
同じ痛みを背負って
無数の刃を染めた
紅蓮の哀しみよ 風になれ

いつの日も いつまでも一緒に そう願って
動乱の波にあらがうように ともに歩んできた

時を超える 想いたちが
繋いでゆく 終わらぬ物語
そっと 振り向けばほら
ふたつ並んだ 足跡が…

飛べないから この足で
一歩一歩 踏みしめ歩く
耳をすませば あなたの足音が
想い出の回廊 今も響く
 
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