歌集い

□薄桜鬼
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牙月/沖田総司(森久保祥太郎)


命よりも
大事な目的が
僕にはある。
刀を翳(かざ)して、進むしかないんだ。
闇に身を浸して。
目的と引き換えに
命果てるその日まで。


空に白い牙のような
三日月が浮かんでいる
敵に向かう僕を見つめ
鈍い光を放って

ついて来るなよ 月も
独りで行く

闇を往くよ
狂気のまま
羅刹になる
そんな奴は
僕だけでいい

命賭けて
今日も生きる
今夜もまた
桜が散る
紅色の
嗚呼 命の花


たどりつく未来に
地獄が待つとしたって
僕は前に進んでく
呼吸止まる刻(とき)まで

ついて来るなよ 君よ
刃(やいば)の森に

闇を往くよ
この時代に
口を開けた
獣のように
牙を剥いて

銀の月よ
嗤(わら)えばいい
明日がまだ
あるのならば
咲かせてやる
嗚呼 命の花


不意に風が揺らぐ
後ろの正面は誰?

僕が向かうところは
いつもたったひとつ
屍(しかばね)を越えてゆく
戦場(いくさば)だけ

闇を往くよ
狂気のまま
羅刹になる
そんな奴は
僕だけでいい

命賭けて
今日も生きる
今夜もまた
桜が散る
紅色の
嗚呼 命の花


闇を往くよ
この時代に
口を開けた
獣のように
牙を剥いて

銀の月よ
嗤(わら)えばいい
明日がまだ
あるのならば
咲かせるのさ
嗚呼 命の花

 
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