リクエストand企画小説
□独り(1)
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「フェイト、好きだよ・・・」
頬を紅く染めながらそう答えてくれる貴女・・・
僕はそんな貴女を抱きしめる・・・
回した腕からはちゃんと貴女の温もりが伝わって・・・
耳元には貴女の吐息も聞こえる・・・
僕の目の前で貴女の紅い髪が風で舞って・・・
貴女は此処にいる・・・
ちゃんと僕の前に・・・
夢から覚めた僕は何処にもいない、居るはずのない貴女を探した。
探してもいるはずなどない、そんな事はわかっている。
でも・・・
夢の感覚が残っていて・・・
でもやっぱり独りで・・・
貴女がいない事が分かると・・・
僕は独り声を潜めながら泣く事しか出来ない・・・