ごみ置き場

□ある午後の日の
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それは、ある午後の日の。



その日は天気もよくエドワードは近くの小川まで歌の
練習をしに出ていた。

のだが。

「なんであんたがここにいるんだよ‥‥」

自分だけの秘密の場所だと思っていたのに。

「君こそ、何故ここに?」

ロイは、それはそれは心外そうに言う。

ロイもまた、自分だけの秘密の場所だと思っていたか
らだ。

お互い、自己中心的な性格をしているから。

似たもの同士だから。

だから許せる。

「何だよ、自分が質問をする前に、まず俺の質問に答
えろ!!」

「昼寝」

即答されるとどこか気に入らない。

いけしゃあしゃあと草原に寝転がる大人に腹を立てる
エドワード。なのに、ロイはそんなの気にもしない。

先ほどの仕返しとばかりに言葉を紡ぐ。

「で、君は何をしにきたんだい?」

「昼寝」

エドワードも先ほどの仕返しといわんばかりに即答。

ただし、言うつもりのないことを言ってしまったが。

そんな自分にまで腹を立て、ロイの脇にごろりと転がった。

もういいや、せっかく天気がいいのだから、言い争い
もほどほどにしておこう。そう思ったから。

でも、なんでわざわざロイの隣に寝ているのか。

自分バカすぎ‥‥‥

「なぁ‥‥‥‥」

「うわぁっ!!!」

急に話しかけられて、本当にバカみたいな反応をして
しまった。

ぜってーからかわれる。

と思ったが、ロイの行動はエドワードの予想に反し
た。

「なぁ、いままでずっと思っていたのだが‥‥」

それに対し、何をと聞き返す前にロイは話し続ける。

「私たちは今セントラルにいるのに、どうしてイース
ターズはイースターズのままなんだろうか?」

「それ中尉に言ってみろよ。次はどんな名前つけられ
るかわかんねぇぞ」

ごめん中尉‥‥でもあなたのネーミングセンスには
涙が流れます。

「あー、セントラルにいるから前の名残を残してセン
トラーズとか?」

「はは!確かに中尉ならやりそうだ」

「そうゆう訳があるから変えらんないんじゃない
の?」

「なるほど」

それは大いに納得できるな‥‥‥すまん中尉。

「そういえば、次の劇はシンデレラらしいぞ」

「えーやだよ俺。ドレス着るのなんて。」

「勘違いするな君ではない」

「え、違う?なに、中尉なの?」

「いや‥‥‥」

「大佐?」

「鋼の〜助けてくれ(泣)」

「‥‥‥‥がんばれよvV」

俺だって苦労してんだっつーの。












その日の夕方、二人にシンデレラの台本が渡された。
















ちなみに、絵日記に大佐のシンデレラ姿が載るかもしれない。

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