Comply with a riquest
□First Love side:H
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夜。
今日の勝利を祝って、街一番の高級バーへ繰り出した。
今回の勝利はでかい。
周辺にまで被害を及ぼしていた、内乱の絶えない某国を鎮圧せよ、という指令が少数精鋭の総勢6部隊、約300人に下された。
総帥までもが参加する大規模な戦の割には少ないと思うが、ウチには勝てずともかなりの強豪揃いに加え総帥自らお出ましとあって、士気は100倍にも膨れ上がった。
俺たち特戦隊に与えられた役割は敵国の本部を取り囲む、防護壁代わりの街の全破壊。他の隊に援護されながら街中を駆け抜け、全てを破壊した。
壁を壊されて丸裸になった敵本部へ、ここぞとばかりにガンマ団総帥の巨大母艦が、威圧するかのように上空からやってきて、こちらが攻撃する間もなく投降してきたのだ。
お陰で敵国の本部施設は丸々ガンマ団のものとなり、近々街を再建し新しい支部が設置されるだろう。
それもこれも俺の特戦隊の活躍によるものだーって、マジック兄貴に功労賞せびりに行ったら、最初から用意してあったみたいで、そこの施設内でちゃんとした授与式が執り行われることになっちまった。
そういう堅苦しいのは好きじゃねぇから金だけもらってとんずらしようと思っていたのに、今後同盟を結ぶ予定の周辺国まで招待したため、総帥の実弟であり特戦部隊隊長である俺が出ないのはマズイということで、渋々出た。
5人で赤絨毯の上並んで、なんかよく分かんねぇ能書き垂れられて、重々しく金一封受け取った。
やっと終わったのが既に深夜回っていた時刻。
各国の首脳が集まったもんだからハメ外すわけにもいかず、飲み直すために5人で隣国の高級バーに来た。
クソだるい式は済んだし、思わぬ報酬も入ったことだ。
いつもは最年少であるリキッドを「お前にはまだ早い」と置いていっていた。
ガキのコイツは酒に滅法弱い。
潰れちまうなら連れていかない方がいいだろうと思っていたから。
だけど今日くらいはいいだろ。
今回の任務ではしっかり働いていて、マジック兄貴も誉めていた。
頭を撫でて「よくできたね」て。あいつも喜んでいるみたいではにかんで微笑んでいた。
その姿を見て、何故か胸が騒いだ。
懐かしいざわめきに頭を傾げながらも、リキッドを飲みに誘う。
いつものように、高級娼婦たちに戦闘での疲れと体の奥で燻る熱を取ってもらう気でいたんだ。
しかしこの時、胸のざわめきが何なのか思い出すことになるとは、俺はまだ知らずにいた。
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