Comply with a riquest
□真夜中にいらっしゃい
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「痛ぇ…くそっしくじったなぁ…」
今日の任務は最悪だった。
隊長から「生きて帰ってこい」とだけ言われ、渡された地図と敵のデータが大雑把に書かれたメモを握って戦地に赴いた。
生きて帰ってくるのは当たり前で。
だから隊長の言葉なんて気にせず小型密偵船で飛んでいた。
近づいてくる爆音に、目的地が近いことを知る。
一人で任されたのだから、それなりに規模の小さいものだと無意識に思っていた。のに。
地上ではあちらこちらから爆撃に人々の怒声が予想以上にあがっていた。
嫌な汗が額を垂れ、情報を見直すと…
なんとこの間激戦区に指定されていた南東地区だった。
人口と破壊範囲しか見ていなかったからいけなかった。どんなに狭くても、人が集まれば戦はでかくなる。
よく確認しなかったことを悔やみ、本当に生きて還れることを願って銃弾飛びかう中地上に降りた。
なんとか街の殲壊と両軍のトップを抹殺することができたが、不覚にも傷を負ってしまった。
点々と散る傷口を手当てしてもらうべく、足を引きずりガンマ団本部の医務室へと向かう。
(もうこんな時間か…マーカーちゃん寝てるよな)
館内に人気がないことに気が付き時計を見ると深夜を回っていた。もっと早くに帰還できるつもりでいたのに手間を取りすぎたのと、帰りの運転が傷のせいで大変だったのとで遅くなってしまった。
(今月の給料はたっぷりもらわなきゃ気が済まねぇ)
自分がよく確認しなかったのが悪いのだが、元を正せば隊長があんな場所にオレ一人に任せたのが悪い、と決め付け薄暗い廊下を歩いた。
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