Comply with a riquest

□初でぇと
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「わーっ!本当に来たんだー!」


流れる陽気な音楽。
行き交う人々の楽しそうな笑顔。
そして、愛くるしいキャラクターたちのお出迎え。


「夢じゃない!本当に本当に本物だーっ!!」


そう、ここは夢にまで見まくったオレの聖地。

ランドの入り口にオレは立っていた。










金なしのオレがなぜここにいるかというと、先日本部での滞在中のこと。

みんなで大型ショッピングセンターに買い出しへ行った時、たまたま福引をやっていてオレが券をゲットしたのが始まりだった。


何千円以上で一回、丸い取手のついたボックスをガラガラ回すやつだ。

「夏休み直前!サマージャンボドリーム・トラベル!」と題した大抽選会は、各賞が旅行券になっていた。
この福引のためにわざわざ遠くから買いに来ている人もいるらしく、気を抜くとみんなとはぐれてしまいそうなほど、買い物客で溢れている。

各賞何が当たるのか詳しく見ていなかったが、できるものなら挑戦してみたい。

別に隊長に言えばどこでも連れていってくれるだろうが、そこは運試しの福引。
男としてのトライアル精神に火がつくというもので。


約一時間、毎度のごとく大量に買い物をしたのだが、肝心の福引券は専門店のレシートのみ有効だったらしく、オレが買いに行った輸入食品を扱ってる店のレシートだけが福引券に交換できた。

日本のお菓子やジュースも好きだけど、やっぱりアメリカ産の甘ったるい味はやめられない。
隊長からお菓子代を貰ってでも買いたいくらい、好きなのだ。
ねだってねだって、そのお陰で福引券を一回分貰い、賭事に滅法弱い隊長が周囲の止める声も聞かずそれを回してしまった。

結果、4等という微妙な数字を出したが…なんと!
永遠のアイドルが住む夢の国、ランドのペアチケットを当てたんだ!


マーカーたちは「子供騙し」とか「ありきたり」とか興味なさそうに言いたいだけ言ってきた。

確かに特等のフランス14日間の旅に比べれば、大したもんじゃないかもしれないけれど、オレにとっては何にも勝る素敵な景品だった。






そして、光輝く夢の国へのプラチナチケットを受け取ってから一週間後。

一種無謀なスケジュールを組み、無事に仕事を片付けた隊長のお陰で総帥から特別休暇を頂き、疲れ果てて休んでいる3人を残してオレと隊長はここへ来た。




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