Comply with a riquest

□Holiday
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「ふぃ〜。さすがに疲れたな」


ヘッドボードに寄りかかって煙草を吹かすハーレム。
疲れたとは口ばかりに、逆に元気に見えるハーレムの隣では、リキッドがぐったりとうつ伏せに寝ていた。


「…オレもうだめ…」

「なんだよ。若いのにだらしねぇな」

「隊長がおかしいんだろ」


顔を上げてハーレムを睨みつけると、煙草を口端に加えてにやけて見下ろしてきた。


「とか言って、お前だってなんだかんだ最後まで俺についてくんじゃねぇか」

「アンタが無理矢理付き合わせてんだろ!オレはっ…やだって…」


自分で言っておいて顔を赤らめるリキッドに、再び込み上げるものがあったが煙を吐き出し抑えた。
ここに着いてから5時間ばかり、ずっと抱きっぱなしだったためさすがのハーレムも満足したようだ。


「まぁまぁ。せっかくお前のためにここまで来たんだ。そうがなんなや」


ニヤニヤと笑ったままリキッドの頭を撫でると、頬を膨らましてハーレムの反対を向いてしまった。
頭をガシガシと撫で続けるハーレムに、嫌がってる素振りはみせていないことから本気で怒っているわけではないと分かる。











そもそもここへ来たのはリキッドの一言からだった。



デカイ任務を片付けた特戦隊に、ハーレムの実兄でガンマ団総帥であるマジックが、労いをこめて10日間の連休をプレゼントした。
他の隊員はそれぞれ出かけていき、特に行くところのないリキッドとハーレムが艦に残った。


リビングで競馬新聞を広げていたハーレムの横で、それを何気無く覗きこんだリキッドが、新聞の広告を見て呟いた。


「…海行きてぇなぁ」


今回の任務で、荒んだ戦場に長期身を置いていたリキッドが精神疲労しているのは分かっていた。
変に構わず、この一週間を好きに過ごさせようとしたハーレムだったが、リキッドの漏らした一言に「たまには二人でバカンスというのも悪くない」と考え、ガンマ団所有の保養所があったことを思い出して早速マジックに連絡をした。


快く教えてくれたマジックが、誰を連れていくのかしつこく聞いてきたがあえて無視して電話を切ると、リキッドにでかけることを伝えた。
案の定喜んだリキッドと、小型ジェットで楽園のようなこの島へやってきたのだった。




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