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□幼児化計画
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第二のパプワ島・朝飯時




「これ食べたら、魔法薬屋行ってこいよお前達」

「えーッ、僕まだそのままがいいー」


朝食に並ぶは簡単に作ったパンケーキ。
加えてスープや色とりどりのサラダ。
小さくなっても四年鍛えた腕は変わらないみたいだった。

しかし問題は一つ。




「この格好だと料理するのに不便なんだよ…」


踏み台は必要だしタンクトップ一枚を着た状態だし。


エプロンが着けられないんだってば!

服が汚れるんだからなッ!



「洗濯とかも大変だしー…掃除も」

「んー…それも問題だな。ロタロー、家事が出来ないリキッドなんてリキッドじゃないぞ」


何かさりげなく酷い事言われてないか、俺。


「そうだねー…後でテヅカくんとタケウチくんの所行こうかぁ」


ふぅ…取り敢えず今日中には元に戻れそうだ。


とにかく今日一日、誰にも会わないようにしよう。












第二のパプワ島・昼



パプワ達は薬屋に行った後、少し寄り道をしてくると言っていた。
どうやらタンノくんに昼御飯を招待されたらしい。
ついでに遊んでくるとか。


帰りは夕方かな…早く元に戻りたい。



「はぁー…」


悪魔っ子達が居なければ昼飯なんて自分の分だけだから、簡単に済ませちゃったし。

特にやる事も無く、床に寝っ転がった。

普段が普段でのんびりと過ごすのは久しぶりで、睡魔が襲ってきた。


あぁ、眠い…











第二のパプワ島・最強(最凶)到来



ドスドスドス…


聞き覚えがある振動と音で目が覚める。
こ、これはもしかして…


「リッちゃーん!元気しとるかのォ。お昼にと思って、熊の煮付け持ってきたんじゃ!」


逃げる場所は無いかと、辺りをきょろきょろと探してみたが皆無。

ドアが勢い良く開き、ウマ子が入って来た。


「リッちゃーん?居ないんかぁ?」


少しでも見えなくなれば良いと、タンスの影に隠れた。

部屋の中心にまで入って来た奴は目敏く俺を見付けてきやがった。
普段でけェ図体が、余計でかく見える。

マジ恐ェーッ!!



「んー?何じゃあこの子は。この島にこんな胸キュンちみっ子居たかのォ」


こちらに寄って来て、顔を近付けられた。


「ひぃ、寄るなぁッ!!」


必死で俺は後ずさった。
しかし奴も逃がさないとばかりに俺を追い詰めてくる。


「むぅぅ…見れば見る程リッちゃんそっくりじゃ。やっぱワレぁ、リッちゃんじゃろぉ」


拳が顔の横を通過し背後の壁に思い切りめり込む。

腕で自由を塞がれた。


「ギャー!離せUMA子ォーッツ!!」


もがくももがくも、明らかな腕力に歯が立たない。
恐くて涙が溢れてきた。


「やっぱリッちゃんじゃけぇvもう離さないけんのぉおお」


…世紀末覇者の目で俺を見ないで!

ゴフォオオと息を吐き、抱きしめてこようと奴は両腕を開いた。

あの逞し過ぎる腕に羽交い締めにされたら…
普段でさえ堪えるのに、今の状態じゃマジで死ぬ。


「ぃやぁあーーッ!!」


俺は目をギュッと閉じた。

自分でも分かる程、それは甲高い叫び声だった。


その声に釣られた様にまたもパプワハウスのドアが勢い良く開いた。


「眼魔砲ーッ!!」


聞き覚えのある、低い声。
目を閉じていたって分かる。


この島で眼魔砲が撃てるのは…






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