Complacency 2

□はつたいけん
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「隊長ー!どこにいるんすかー!隠れてもムダっすよー!」







特戦隊専用飛空艦内。



黄色い頭を振りながら、いつになく楽しそうな声で隊長であるハーレムを探しているのは、部下で恋人のリキッドである。


リキッドがハーレムに追いかけられることはよくあっても、逆に追われることは今までなかったというのに、何故ハーレムは逃げ回っているのか。




「…捕まってたまるかっての」


逃げる理由。


「流石にありえねぇだろ…あいつに突っ込まれるとか」


ハーレムは恋人のリキッドに貞操を狙われていたのだった。

















「…もう…隊長ってばどこ行ったんだか…」


飛空艦内を一部屋ずつくまなく探し、クローゼットを開け、ダストシュートを覗き、声をあげて探し回るリキッド。

こちらも、何としてでもハーレムを捕まえて男にしてもらおうと躍起だ。



リキッドがハーレムを抱きたいというのにも理由があった。


それは、ハーレムが士官学校時代、同級生だったドクター高松とそういう仲だったことから始まる。


どっからどうみても攻め将軍だと思っていたリキッドは、ハーレムが高松に抱かれていたことに嫉妬したのだ。

抱かれたのは高松だけだ、とも言っていた。


つまり、自分の知らないハーレムを高松だけが知っている。

自分の知らないところなど、未だに多いのは仕方がない。
自分が生まれるよりもずっと前から二人は友達なのだから。



でも、恋人である今、体を繋ぐことで相手のことを高松より知らないことがあるのは、もの凄く嫌だ。


ハーレムが、どこが感じてどんな嬌声をあげるのか、ハーレムの中はどんな風なのか。




「オレとは一応恋人なんだし、ドクターなんかに負けたくないし!」




考えだしたら止まらなくなり、いっそ抱かせていただこうとハーレムを追いかけているのだった。




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