Complacency 2
□Plaything
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女はいい。
柔らかく、甘い、羽毛のような体で包み込んでくれるから。
優しくすれば、優しさで返して、キスを送ればしなやかな腕が首に絡まり、もっと、とせがむ。
耳に胡散臭い愛を囁いて、真っ赤な唇が愉悦に歪み、胡散臭い愛を俺にも返す。
程よい距離をお互い計って、すぐに空気を読みとる賢い女。
とにかく、楽な気にさせてくれるから、いい。
男はいい。
なんと言っても頑丈で、どんな体位でも大概は耐えられるから。
憂さ晴らしには丁度いい道具。
優しさなんて無用で、嫌がるのを押さえつければ悔しそうな目で睨んでくる。
必死に抵抗するのをかわし、キスを送れば次第に力が緩み、背中に爪痕を残すだけになる。
そう。
その瞬間俺は最高の至福を得る。
女とは違う、征服欲を煽る男を組み伏せることによって、俺は初めてイクんだ。
この男は理想的だった。
女のように媚びることはせず、女のように甘えることもしない。
それなのに、孔を犯されて女になり下がる。
歯を食いしばり、固く閉じた目からいくつも涙を溢し、感じていない素振りをしながら涎垂らして勃たせて。
握り締めていた手を無理やり開かせて背中に回せば、爪を立てて衝撃に耐えようとするのだ。
俺を歓ばすと知らずに。
耳に優しく愛を囁いて、胡散臭い愛なのに、揺られて理性が崩れていく様が愉快で仕方がない。
この男はいい。
俺の思い通りにならないようで、なっていて、空気を読んでいないようで、しっかり俺を歓ばせてくれる。
結局、夢中にさせているのはどっちだ?
END