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□大人の恋愛事情 〜思慕〜
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今日も今日とて、俺がいるのを覚悟でこいつはリキッドに会いに来ている。
実際マゾじゃねぇの?
そんだけリキッドに会いてぇのかね。
俺に会いたくて来てんの?
なんて言ったらどうなんのかな。
想像しただけでワクワクしてしまう。
そんなん、すげぇ久々な気がする。
さぁて、今日はどうやってからかってやろう。
「おい!リキッドから手を離せ!」
「へへ〜んだ。羨ましいか、羨ましいだろ〜」
リキッドを腕の中に捉えたままわざとらしく体を撫で回す。
悔しそうに見ている視線は、不思議と今日はあまり絡まない。
「隊長っ離してくださいよ!つかどこに手ぇやってんだ!」
「尻」
「尻、じゃねぇ!このセクハラ親父!」
腰に回していた手を尻まで下ろし、おもむろに撫でてから騒ぎまくるのを黙らせるついでに、ぎゅっと揉んでみた。
やっぱリキッドの尻は揉み心地がいい。
「うっせーなー。男が小さいことでキャンキャン吠えんなや」
「ぎゃ!も、揉むのは明らかなセクハラだ!」
「揉んだだとっ?貴様っ離れやがれ!」
リキッドが飛び上がって離れたところで庇うように前に立ち塞がる。
それでも瞳からは以前の強さを感じない。
脅え?遠慮?
威嚇以外の感情が混ざった眼差しに、密かに微笑む。
楽しくなってきたな。
「あ〜?なに、あんたも揉んで欲しいのか?」
「は!?な、何を?!」
俺のからかうセリフに驚いて目を剥き、語尾を荒げている。
その態度に増長してペロリと唇を舐めて続けた。
「着物の上からでも分かんぜぇ?小さくて引き締まって、だけど垂れない程度に尻たぶがあって。リキッドよりは固そうだけどな」
「〜っっ!!?」
更に追い詰めたくて維持悪く掌で空を揉む手付きを見せれば、トマトみたいに赤くなって言葉がないとばかりに口をパクパク動かしている。
そうそう、この顔が見たかったんだよ。
やっぱ俺は生来のいじめっこのようだ。
この男を泣かせてやりたくて堪らない。
『いじめられるヤツにはいじめられる要素があるんだよ。つまり、そういうこと』
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