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□大人の恋愛事情 〜情事〜
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「…こんなの…っ、正気の沙汰とは思えねぇ…っ」

「いいじゃねぇか…。俺もお前も…正気じゃねぇってことでよ。二人で狂ってみようぜぇ…」


そう言ってワイシャツを脱ぐこのオッサンは、一匹の獣のように目を光らせて俺に覆い被さる。


「…やらしぃ面」


俺も無意識に舌舐めずりをしていて、こいつと同じ獣のような目をしていたんだと恥ずかしくなった。


「…るせぇ」


顔を背ければ必然とこいつに向けた耳に唇が近付き、乱れた着流しの裾から手が入り込んで股を撫でられた。


今日に限って袴を佩いていなかったことを悔やんだ。





「っ…」

「なぁ、これってどう脱がすんだ?」

「っ…これは」

「脱いで見せろや」

「い…いやだ…」

「照れんなよ…乱暴にしていいってんならいいけど」

「ぅ…」


自分で外せと言われて、腰に巻き付いてるふんどしを簡単に外せるものか。

着物の帯を外すように面倒臭いものを、まだこの状況下で出来るものではない。




顔を熱くして唇を閉ざしていると、足の付け根から股の内側の柔らかいところをしきりに撫でられ、時折ぐっと押される度に腰が跳ねた。


ふと顔をあげてきて目が合うと、口端を上げてニヤリと笑う。


「しっかり感じてんなぁ…まだ何にもしてねぇのに」


早くも反応してしまっている雄をわざと教えるようにゆっくり指でなぞられ、耳に微かに触れる唇とそこから吐かれる息に背筋が震える。


また布越しの優しい感触がますます高める要因となっている。













こいつに与えられる想像以上の快感が急激に俺を浸蝕していく。



衣擦れの音がやたら卑猥に聞こえ、乱れていく自身の息がどこか別のところから聞こえてくるようだ。





最近抜いてなかったから、という言い訳をするよりも早く、巧みに追い上げられていった。



「っ…ぅ…く…」

「…噛むなよ…どうせ俺らしかいねぇんだ。遠慮せず喘いでみ?」

「ぅあ!やめっあぁ!」


指で持て遊んでいたモノを突然扱かれ、制止の声はこいつの狙い通り艶を持ったものになってしまった。



唇を噛んで、歯をくいしばって堪えようとしてもそれを許さぬと言うように、空いていた手が唇をなぞって無理矢理こじ開け、指が口内へ入ってきた。


反射的に逃げた舌を追って指が這い回り、捕えられて表面を撫でていく。


「ん…ふぐ…っぅ…」


くぐもった声を出し、舌で指を追いやろうとしても、下肢への刺激が強すぎてうまく力が入らない。



ぴちゃぴちゃと濡れた音を立てている俺は、逆にこいつをねだるように絡ませているようで。



そんな自分の様子に今更ながら羞恥心が蘇り、今更ながらの抵抗をしていた。




「っ、おい何だよ」

「はな…せ…っ」


指を噛んで口から追い出す。
驚いて手を引いたこいつの肩を力の抜けた腕で突っぱねる。





最初から俺の手は自由だったんだ。




どうしてこいつを殴り飛ばさなかったんだ?

逃げるのは簡単だったのに。



どうして。







ただ。


リキッドはこいつにどうやって抱かれてるのだろう、なんて事を考えてしまったから。























『ふんどしってどうやって外すんだろ・・・?』








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